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2026年夏までに、電子カルテ情報共有サービスの具体的な普及計画を策定予定


(2026年1月)

2026年の最初も医療DX関連の話題を紹介しましょう。
2025年12月10日、厚生労働省の第26回健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用ワーキンググループが開催され、電子カルテ情報共有サービスについて、2026年夏までに具体的な普及計画を策定し、さらには2026年度の冬ごろをめどに全国での運用開始を目指す方針が示されました。
先月の気になる医療ニュースでも紹介した通り、診療所における電子カルテの導入状況を見てみると、「医療DX推進体制整備加算」無届けの診療所では46.2%と5割に届いていません。
先述のワーキングループで示された「電子カルテの普及について」という資料*1    でも、令和5年の一般診療所の電子カルテシステムの普及状況は55%と紹介されており、情報共有サービスを進めるためには、全国の一般診療所での電カルの普及がネックとなっていることがわかります。
この資料の中でも示されていますが、2025年8月に日本医師会が実施した、全国の紙カルテ利用中の診療所に対する電子カルテ導入の可能性についてのアンケート調査(調査期間:2025/4/18~6/1、有効回答数:5,466件)でも、未導入の診療所のうち54.2%が、電カルの導入が不可能であると回答しています。高齢の医師ほど「導入不可」と回答しており、ここにも高齢化が強く影響していることがわかります。
加えて、国が開発した標準型電子カルテを使用していても紙カルテは残しているという診療所が22.8%あり、紙のカルテが必要な診療所は全体の77%もあるのが現状です。
このようにいつまでも紙のカルテを使用していては、あれだけの反対を押し切って導入したマイナ保険証もまさに「宝の持ち腐れ」状態といえますが、この現状を見る限り、医療DX推進本部の目標である「遅くとも2030年には概ねすべての医療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指す」という目標達成は、相当難しいのではないでしょうか。

そこで厚労省としては、導入できない理由の一つである「導入費用が高額で、負担できない」を解消するため、「オンプレ型で、かつ、カスタマイズしている現行の電子カルテから、いわゆるクラウドネイティブを基本とする廉価なものへと移行することを図りつつ、① 電子カルテ導入済の医療機関には、次回更改時に、共有サービス/電子処方箋に対応するシステム改修等の実施、② 電子カルテ未導入の医療機関には、共有サービス/電子処方箋に対応できる標準化された電子カルテの導入を進める」という普及策を提示しました。
そして、「標準型電子カルテ(デジタル庁で開発中)について、本格運用の具体的内容を2025年度中に示した上で、必要な支援策の具体化を検討するとともに、2026年度中目途の完成を目指」し、「標準型電子カルテの要件を参考として、医科診療所向け電子カルテの標準仕様(基本要件)を2025年度中に策定」するという対応方針を発表*2    しました。

標準型電子カルテの要件としては、「小規模な医療機関でも過度な負担なく導入が可能となるよう、①共有サービス・電子処方箋管理サービスへの対応、②ガバメントクラウドへの対応が可能となり、かつ、1つのシステムを複数の医療機関で共同利用することで廉価なサービス提供が可能となるマルチテナント方式(いわゆるSaaS型)のクラウド型サービスとする、③関係システムへの標準APIを搭載する、④データ引き継ぎが可能な互換性を確保すること等を要件とする方向であるとしています。

これまでのカスタマイズされたオンプレ型電子カルテから、クラウドネイティブ・廉価なものに移行を図る方針が示されたわけです。
すでにオンプレ型で自院用にカスタマイズした電カルを使用している診療所には、次回システム更新時に標準仕様に準拠したクラウド型システムに移行するよう促すようです。

いずれにせよ、これから開業を目指す医師の皆さんにとっては、電カルはデフォルトですので、まずは初期費用はかかるがカスタマイズが可能なオンプレ型の電カルにするか、初期費用が安いがカスタマイズの自由度が低いクラウド型の電カルにするか、それぞれの特徴を見極め、検討する必要がありそうです。


※WEB情報の最終閲覧日は2025年12月23日です。

(文責:ブランディング・エディター 内田朋恵)


  *1「電子カルテの普及について」第26回 健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用ワーキンググループ(2025(令和7)年12月10日)厚生労働省医政局医療情報担当参事官室
  *2「電子処方箋・電子カルテの目標設定等について」(令和7年7月1日)厚生労働省

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