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the医院開業|開業したドクターの家族の本音―開業候補地へ何度も足を運び開院しました

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FILE 011

家族の本音―開業候補地へ何度も足を運び開院しました

松前さん(仮名)38歳の場合


「開院当初、私は運営に関わるつもりはなかったのですが、今は週に2〜4回勤務しています」と言う松前さん。
開院当初経験したトラブルを中心にお聞きしました。

義父が地方で自宅と同じ場所でクリニックを開業しています。
開業することが決まった時点で、義母からは「うちは自宅がクリニックだったから、私は運営に関わらざるを得なかったけれど、クリニックに出るのは大変だったわよ。できることなら、あなたは運営に関わらないようにしなさいね」と言われました。

また経営コンサルタントや開業している友人からも、「スタッフとうまくやっていくには、妻は事務長をやるなどしかるべきポジションで運営に関わるか、一切かかわらないかのどちらかがいい。

たまに顔を出すだけというのは、トラブルになりやすい」と言われていましたので、私は開業後のクリニックには一切顔を出さないつもりでいましたし、夫もそれは理解していました。

採用したスタッフは、看護師、医療事務、各3人。どちらも常勤が1人と、週に2〜4日勤務する人が2人で、常に2人はクリニックにいる体制で開業しました。

ところが、スタートしてから約1ヶ月後に、医療事務の常勤スタッフのお子さんが入院し、スタッフ自身も2ヶ月ほど休むことになりました。その間、非常勤スタッフの1人に毎日勤務してもらい、人手が足りない日は私が手伝うことになりました。

イメージ

実は私、学生時代に医療事務の勉強をしたことがありました。

医者の妻になることを予想していたわけではなく、「資格があると将来役に立つこともあるかもしれない」という軽い気持ちで勉強をしただけです。

その頃はパソコンもなかったですから、今とはずいぶん事情が違います。当時のスキルは役立たないのは分かっていましたが、2ヶ月間だけ新しいスタッフを採用するのも難しいですからね。

お手伝いくらいならできるかもしれないと、軽い気持ちでクリニックに顔を出すようになりました。

ところが、2ヶ月経って常勤のスタッフが復帰し、開院当初の勤務シフトに戻そうとしたときに、代わりに毎日来てもらっていたスタッフが、「収入が減るのは困る」とか、「急場を乗り切ったのは私なのに、その私をなぜ大事にしてくれないのか」と言ってきたんですね。

そのスタッフの言い分も心情的には理解できましたが、最初から期間限定の約束でしたから、希望は受け入れることができません。

何度も話し合ったのですが、折り合いがつかず、残念ですが辞めていただくことになりました。

その際、新しいスタッフを採用することもできたのですが、誰かが急に休むことになったら、そのたびに休みのスタッフに出勤してもらうなどの対応をとらないといけません。

スタッフ派遣の会社を利用するのも考えたのですが、人件費や手間がかかりますから現実的ではありませんでした。

それで結局、私はそのまま手伝いを続行することになってしまい、現在までずっと、最低でも週に2日、多い時は4日くらいは、スタッフの1人として定着してしまいました。

当初の予定とはだいぶ変わってしまい、正直言うと「こんなはずではなかった」という思いもありますが、患者さんの顔を拝見する今の暮らしも悪くないと感じています。患者さんに対して「院長の妻」として名乗ることはないですし、スタッフも名字ではなく下の名前で呼んでいますので、患者さんは私を院長の妻としてではなく、スタッフの1人として認識してくださっているようです。

大した知識もない私が本当に役に立っているのか分かりませんが、「私、もう辞めても大丈夫よね」と冗談半分にスタッフに言うと、「困ります。このまま続けてください」と言ってもらっています。楽観的かもしれませんが、スタッフからも多少は信頼される存在になれているのかなと思っています。医療事務のリーダー役は常勤スタッフに任せていますし、診療時間中に夫と話すことも滅多にありません。パートスタッフの1人という立場を貫いてきたのが良かったのかもしれませんね。

ご家族が経営に関わる場合、一般的に「スタッフとうまくやっていくには、妻は事務長などしかるべきポジションで運営に関わるか、裏方に徹して一切かかわらないかのどちらかがいい」と言われています。

非常勤で働いている松前さんのケースは、一見するとトラブルに繋がりやすいと思われますが、開業後比較的早い時期にスタッフになったこと、突然のスタッフ不足という急場をしのぐ必要があったこと、また古い知識とはいえ医療事務の仕事内容を知っていたことなど様々な要因が重なったことで、他のスタッフと良好な関係が築けているのではないかと考えられそうです。

次回ご登場いただくのは、父のクリニックを継承する形で開業した医師のご家族です。ご家族・ご兄弟が全面的に経営に関わっている体制における、長所や短所を探っていきます。

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