登録・会費 無料!
お問い合わせ・ご相談はこちら
  1. TOP
  2. 読んでよかった!開業指南塾
  3. みんなの本音
  4. 家族の本音―開業候補地へ何度も足を運び開院しました

the医院開業|開業医の家族の本音―開業候補地へ何度も足を運び開院しました

読んでよかった! 開業指南塾
開業に関する欠かせない情報が満載

開業ドクターから学ぼうみんなの本音

患者・スタッフ・家族...
開業医をめぐるそれぞれの本音とは?

FILE 011

家族の本音―開業候補地へ何度も足を運び開院しました

松前さん(仮名)38歳の場合


あるアンケートによると開業時に苦労したことのベスト3は、「物件探し」「職員採用」「資金調達」。

医師のご家族が登場する「みんなの本音」シリーズ、3回目にご登場いただくのは、これらベスト3のうちの2つ(物件探しとスタッフの配置)に悩まれた医師の家族です。


「苦労したのは、クリニックの場所探しとスタッフの配置でした」と語る松前さん。
松前さんに物件探しにまつわる話をお聞きしました。

開業したのは5年前です。
開業の準備は1年くらい前から始めました。
夫は開業前も個人クリニックの院長でしたが、経営者が別にいる、いわゆる「雇われ院長」でした。

仕事のことを家庭に持ち込む人ではなかったので詳しいことは知りませんが、診療時間や休診日の設定など、運営方針に関して経営者と意見が食い違うことが、たびたび起きていたようです。

開業したいと言われた時は特に反対はしなかったです。
雇われ院長になった当時は、すぐに開業することは考えていなかったけれど、食い違いが起きるたびに、同じ院長という立場なら、雇われではなく自分で経営したいという思いを強くもつようになったと言っていました。

私はわりと楽天的な性格なのだと思います。
夫が気持ちよく仕事できるなら開業もいいと思っただけで、特に心配も不安もなかったです。

時おり入る患者さんからの電話などの様子から、患者さんから信頼されている様子を垣間見ていましたので、開業してもきっとどうにかなるだろうと思っていました。
夫の父も地方で開業していますから、夫もいつか開業するかもしれないという予感もありました。

だから開業をすんなりと受け入れることができたのかもしれませんね。

イメージ

でも開業すると決めたものの開業場所がなかなか見つかりませんでした。

義父のクリニックが自宅と同じ場所にあり、夫は子どもの頃から夜中でも患者さんが来る環境にいました。

両親の大変さを見てきたからでしょうね、住居とクリニックは別の場所にすると決めていました。

とはいえ、周辺にあるお店や公共施設、他のクリニックの情報などを知っている方が、患者さんの生活環境が分かりますし、診療中に患者さんとお話しする時にスムーズなので、全く知らない場所は避けたかったようです。

そこで遠くもなく、近くもない距離ということで、「自宅から車で15分以内」を開業場所の条件にしました。候補地探しについては、最初はコンサルタントの方にお任せしていましたが、なかなか良い物件に巡り合えず、途中からは夫も不動産屋をまわったり、ネット上で探したりしていました。

10カ月くらいたったころだったと思います。ビル中だけれども立地は申し分のない物件が見つかったことがありました。

その頃、私の中に不安に思う気持ちが大きくなっていたため、「もう十分探したと思う。妥協して、この物件に決めてほしい」と夫に頼んだことがありました。

でも夫は、「不安もわかるけれど、私はまだ諦められない。希望通りの物件が見つかると信じているから、もう少しだけ時間がほしい」と言い、頑として首を縦に振りませんでした。

そのことがあってから、私も本当の意味で開き直る覚悟ができました。
夫が開業後は私にも手伝ってほしいと言うので、私にできることはないかを探し、医療事務の勉強を始めたのも、これがきっかけでした。

見つかった候補地は2つで、1つはコンサルタントから紹介されたもので、もう1つは夫がネット上で見つけてきたものでした。

どちらもビルの1階でしたが、コンサルタントからの紹介物件は、駅から少し離れている分、フロア面積が広く、隣接した駐車場も一緒に借りられるもので、夫が見つけた物件は、商店街の中央にあり、フロア面積もそれほど広くなく、駐車場は少し離れたところに別で確保しないといけないものでした。

両方の物件を実際に見に行ったところ、どちらも甲乙つけがたかったのですが、いろいろ検討した結果、通院に便利な駐車場が隣接している物件に決めるつもりでした。

契約の前日である土曜日の夕方、最後の確認のつもりで現地を見に行ったところ、前に見た平日の昼間の様子とは全く違っていました。

街灯が少なかったのか、薄暗くて、物騒な感じがして、私が患者だったらここには通いたくないと思ってしまったんですね。

夫も同様に感じたようで、契約を急遽取りやめました。
最終的に夫が見つけてきたもうひとつの物件で決めたのですが、契約前は先の経験を生かし、平日はもちろん、土曜・日曜も、そして、朝・昼・夕方・夜と様々な時間帯に、何度も何度も足を運びました。

患者さんに気持ち良く通院していただきたいですし、看護師などのスタッフは女性が多く、診療が長引くと帰宅が遅くなる場合もあることも考えると、周辺環境は重要です。契約する前にそのことに気づき、納得できるまで吟味できたことは、本当に良かったと思っています。

開業場所を決める際、特に周辺環境については、患者さんの目線に立って評価するだけでなく、スタッフの通勤の利便性や安全性にも配慮する必要があります。

今回ご紹介した松前さんのように、曜日や時間帯を変えて、何度も実際に足を運んでみることも大切といえそうです。

「私はクリニックに出るつもりはなかったのに、今はどっぷりと運営に関わっています」と笑いながら話す松前さん。
次回は、スタッフの配置にまつわる話をお聞きします。

メリットいっぱい
会員登録(無料)
お気軽にどうぞ
開業相談(無料)
PAGETOP