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スタッフ採用に失敗!院長、仕事を抱えすぎです!
新規開業時のスタッフ採用に失敗したことで、仕事を抱えざるをえなくなった院長がたどりついたスタッフ教育法をご紹介します。
EPISODE 01
開業3カ月、患者が減ってきた!?
東京郊外の住宅地に小児科内科クリニックを開業した山上恭一医師。希望通りにスタッフを採用することができず、開業を前にスタッフを一から教育しなければならない現状にイライラの毎日です。 小児外科をクリニックの売りにするつもりが、果たしてうまくいくのでしょうか・・・。
小児科経験の看護師が採用できない!
私は小児外科医として、大学病院で10年以上働いてきました。開業をするなら、その経験を活かして、お子さんの様々な悩みにきちんと向き合い、適切な治療を提供できる「かかりつけ医」になりたいと思っていました。ですから、看護師はできれば小児外科、最低でも小児科の勤務経験がある人を採用したいと考えていました。
優秀な看護師を採用するために、正規採用で、社会保障はもちろん、お給料やお休みについても良い条件を提供しました。ところが応募してきたのは4人、それも小児科経験のない人たちでした。事務職も同じ条件で募集しましたが、こちらへの応募も4人、小児科経験のある人はひとりだけでした。 そこで紹介料はかかりますが、看護師紹介会社に「小児科経験のある看護師」を依頼しました。しかし、そこでも私が希望する人は見つからなかったのです。
そのとき紹介会社の担当者に、「先生のクリニックは駅から遠いので、通勤がネックになるんです」と言われ、はじめて住宅街での開業のリスクを痛感したのです。 しかし今さら開業場所を変えるわけにもいきません。小児科経験という条件を諦めて求人を続けましたが、追加の応募すらありませんでした。
仕方なく、応募者8人全員を面接し、看護師2人、事務職2人を正規採用、パートで看護師2人を採用したのです。
診療以外の仕事が多すぎる!

幸い小児科経験のある事務スタッフ、川畑久美さんを採用できたので、予防接種、感染症時の対応、乳幼児医療費助成制度など、小児科特有の業務については、川畑さんに任せるつもりでした。ところが、「先生、小児科経験があるといっても半年ちょっとで、そういう業務は別の方がやっていたので、私はよくわからないんです」と言われてしまいました。
確かに25歳と若かったので、経験者といってもそれほど期待はしていなかったのですが、それにしてもこんな基本的なこともできないとは……。この先のことを考えると、頭が痛くなってきました。
そこで、開業前に、小児科特有の主な業務と注意点をまとめ、スタッフ全員に配布しました。特に看護師の二人は若く、清水真奈さんにいたっては、今春、専門学校を出たばかりの准看護師です。一から私が教育していかなければならない状態でした。ただ、やる気はあって、将来的には正看護師になりたいという希望もあり、正規採用したのです。
スタッフに不安を抱えての開業でしたが、最初は患者さんの数も多くなく、失敗しても私がフォローしたり、その場ですぐに教えたりしながら、なんとかやっていました。
スタッフの採用面では立地が不利になりましたが、患者さんの来院数では、もともとクリニックがあった場所で開業したメリットはすぐに現われてきました。
うれしいことに、1カ月もすると、口コミで近所のお子さんやお年寄りが来院し始め、気づくと1日40~50人も患者さんが来るクリニックになっていたのです。
ところが、患者さんの数が増えるにつれて、スタッフの対応のまずさが目に付くようになり、私の小言や注意が増えていきました。
特に看護師の清水さんの動きは無駄が多く、ミスばかりします。とうとう隔離室がふさがっているからと、水疱瘡の患者さんを混雑している待合室で待たせるという失態を起こしたのです。
大声でスタッフを叱責!

カルテを見て気づいたパートのベテラン看護師、沢村静香さんが、慌ててこの患者さんを処置室へ連れて行き、事なきを得たのですが、清水さんはこうしたミスを多発するようになっていました。そのたびに私のイライラは募っていき、とうとう「何をやっているんだ!」と大声で叱責してしまったのです。
その声は待合室まで聞こえてしまったようで、プレイルームで遊んでいたお子さんの声も一瞬、静かになりました。「あ~まずった…」と思いましたが後の祭りです。
それ以来、清水さんはますますミスをするようになり、他のスタッフの私への態度もトゲトゲしくなり、私が思い描いていた「温かな小児科」からは程遠い雰囲気になっていました。
そのうち患者さんが減ってきたことに気づきました。1日40人前後の患者さんが、20人を切る状態になっていたのです。開業から3カ月、これからどうすればいいのでしょうか……。
上記の物語はすべてフィクションです。
(文責:ブランディングエディター 内田朋恵)
