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見えてきた2026年度診療報酬改定の具体的な改定項目


(2026年2月)

2026年1月23日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、厚生労働省は2026年度診療報酬改定の個別改定項目(具体的な点数や改定案)を委員に示したので、今回は注目すべき改定項目について紹介します。
実は2日前の1月21日の同協議会では、2026年度の診療報酬改定について、支払い側、診療側の委員の意見が出されました。支払い側、診療側も日本の置かれた状況を踏まえ、次のような意見を述べています。*1         まずは、その意見の違いを見てみましょう。

「医療の質を確保しつつ効率化するためには、医療DXやICT連携の本格的な活用とAI等による生産性向上が課題である。さらに、かかりつけ医機能報告制度や新たな地域医療構想をはじめとする、2040年頃を見据えた医療提供体制の再構築も意識するべきである。(略)限られた医療資源を有効活用するものであり、医療機関の健全な運営にとっても必要な要素である。メリハリのある診療報酬により政策課題の解決に取り組むべきである」(支払い側)

「高齢者人口がピークを迎える2040年の医療提供体制の展望を見据え、実効性のある医師・医療従事者の働き方改革を推進し、総合的な医療提供体制改革を遂行することで持続可能な制度を実現し、社会保障の更なる充実を図ることも重要である。(略)令和8年度診療報酬改定では、地域における医療資源を有効活用しつつ、継続して改革を進めるために必要な財源を配分すべきであり、医療者として地域医療を面で守る使命感と倫理観に基づき、国民に質の高い医療を提供し、わが国の医療制度を維持・発展させる」(診療側)

こうした協議を経て、さらに昨今の物価高、人件費の高騰、医師の偏在も取り上げられているなかで出された個別改定項目案*2           が示されました。なかでも、かかりつけ医機能報告制度と機能強化加算を紐づけるかどうかが懸案事項でしたが、今回の改定では紐づけしない方針を示しました。

これまで支払い側は、かかりつけ医機能報告制度における報告の内容と対応させて、機能強化加算を大幅に見直すべきであるという要望*3 してきましたが、診療側はかかりつけ医機能報告制度と診療報酬を紐づけることに一貫して反対してきました。診療する側としては、5年後に大きな見直しをすることが決まっている「かかりつけ医機能報告制度」に、今回の診療報酬改定で対応をするのはおかしいと異議を唱えていましたので、今回の個別改定項目案の内容には一安心というところです。

ただし、機能強化加算については、「外来医療における適切な役割分担を図り、専門医療機関への受診の要否の判断等を含むより的確で質の高い診療機能を評価する趣旨を踏まえ、機能強化加算について、要件を見直す」*2         (P271)として、要件の見直す方針を示しています。

「「医療機関(災害拠点病院以外)における災害対応のための BCP 作成の手引き」等を参考に、医療機関の実情に応じて、災害等の発生時において、当該保険医療機関において患者に対する医療の提供を継続的に実施することを目指すこと、非常時の体制で早期の業務再開を図ること及び患者と職員の安全を確保すること等を目的とした計画(以下この項において「業務継続計画」という。)を策定し、当該計画に従い必要な措置を講じること。また、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うこと」という要件が施設基準において追加通知されました。

さらには、「外来医師過多区域」*4             における制限も明らかにした。
具体的には、外来医師過多区域での新規開業希望者に対しては、「開設する6カ月前までに、当該区域における地域外来医療の提供に関する意向その他の厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない」とし、「少なくとも外来医師多数区域においては、新規開業希望者に対して、協議の内容を踏まえて、初期救急(夜間・休日の診療)、在宅医療、公衆衛生(学校医、産業医、予防接種等)等の地域に必要とされる医療機能を担うよう求める」としました。
そのうえで外来医療の協議の場への参加を求め、「期限を定めて地域で不足する機能、医師不足地域での医療提供を要請」してもその要請に応じない場合は、「当該希望者について保険医療機関の指定期間を通常の6年から3年に短縮」するとしたのです。そして個別改定項目案では、指定期間が3年以内とされた保険医療機関については機能強化加算の算定を不可とするとしました。

そもそもかかりつけ医機能報告制度と診療報酬の機能強化加算の紐づけを要望していた支払い側委員からは、1号機能すべてを満たす医療機関を評価する方向に向かなかったことを「残念だ」という意見もありましたが、紐づけを阻止できた診療側委員は、ひとまず評価する声が上がっていました。

医師の偏在対策については、今後の医療体制構築の重要課題ですので、次回、詳報したいと思います。

※WEB情報の最終閲覧日は2026年1月25日です。

(文責:ブランディング・エディター 内田朋恵)


*1「第643回 中央社会保険医療協議会 総会(公聴会) 資料」
*2「個別改定項目について」(中医協 総-28.1.23)          
*3「かかりつけ医機能報告制度が開始され、国民にもその機能が見えやすくなることを踏まえれば、診療報酬についても、現状の複雑な評価を、かかりつけ医機能報告制度と整合する方向で整理することが、国民や患者の目線からも分かりやすく、望ましいと考えております」(奥田委員)「かかりつけ医機能の各項目と診療報酬上の評価について、対応関係を整理していただきましたが、機能項目ごとに評価している加算が異なっている点を整理していくべきであり、1号機能の全てを満たす医療機関の評価を新たに創設するといった一本化も含め、全体の見直しを検討していくべきと考えております。患者さんにとっても分かりやすい評価体系とすることが重要であり、根本的な見直しも視野に議論をしていくべきと思っております」(鳥潟委員)など、支払い側からは多くの紐づけ賛成の意見がみられる。
(2025年10月17日中央社会保険医療協議会(中医協)総会議事録より)
  *4「医師偏在対策について」(令和8年1月19日第123回社会保障審議会医療部会資料1-2)の28~30ページ参照 

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