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新型コロナとインフルエンザの同時流行に、開業医はどう対応すべきか? 


(2022年11月)

落ち着いていた新型コロナウイルス感染症の感染状況が、10月後半になって再び拡大傾向を見せ始めました。
インバウンドが本格的に再開して海外から多くの人が来日していますし、アメリカやシンガポールでは新たな変異株の流行が始まっているようですし*1 、「第8波の到来か」という報道もあるほどです。

10月中旬には、次の流行時に発熱外来がひっ迫しないよう、受診を高齢者や小学生以下の子ども、基礎疾患のある人に限るという方針を政府が固めたと報道されました*2
これについては医療現場からも賛否様々な意見が出ています。

政府による受診を控えるお願いは、今夏のコロナ流行第7波での発熱外来のパンクを受けてのことですが、「市販の抗原検査キッドを自宅にあらかじめ用意を」という呼びかけを聞くと根本的な問題解決にはなっていませんし、これについてはSNSでも多くの批判的な書き込みがありました。
実際、もし高熱が出て苦しかったら、誰しも基礎疾患がなくても医療を受けたいと思うものですから。

そして10月17日、厚生労働省から各都道府県の衛生主管部へ「季節性インフルエンザとの同時流行を想定した新型コロナウイルス感染症に対応する外来医療体制等の整備について(依頼)」*3    という文書が配布されました。
こちらの文書は都道府県や医療機関へ体制整備の協力を依頼するものです。
さらに各都道府県には11月14日までに「外来医療体制整備計画」案を作成し、11月中に計画に沿った体制強化を図ることが求められていますが、コロナ感染症が始まって3回目の冬を迎えるのに、まだ体制が整っていないことへの不信感はぬぐえません。
新型コロナとインフルエンザを同時に検査するキッドは、すでに2年前から保険適用になっていますし*4    、少なくともオミクロン株以降は、発熱外来をストレスなく受診できれば、多くの患者さんは安心して自宅や場合によっては宿泊療養施設を選んで療養に入れるのです。

今回の政府の依頼文書(*3   参照)の中に、「発熱外来の補完」として、

・地域の医師会等の協力を得て、センター方式(例えば、地域外来・検査センターなど)による臨時の発熱外来の整備等
・施設の構造上の理由から発熱外来の指定を受けられない医療機関に対し、例えば、自治体が電話診療・オンライン診療を活用する体制を整え協力を要請、同時流行下における電話診療等の輪番体制を自治体等が構築する際に協力を要請など。

 といった文言がありますが、どれだけ速やかにこうした体制が整えられるかに今冬の流行対策はかかっているでしょう。

抗インフルエンザ薬は発症48時間以内の服用が必要とされています。保険適用されたコロナとインフルエンザを同時鑑別するキッドを使えば、15~20分程度で結果が出ます(*4   参照)。
都道府県と医療機関頼みの国の今冬のコロナ&インフルエンザ対策がうまくいくかどうか、注視していきたいと思います。

(文責:ブランディング・エディター 内田朋恵)


*1 YAHOOニュース2022年10月22日「世界での新たな変異株の状況 シンガポールで広がるXBBや、欧米で広がるBQ.1は日本でも広がるのか?」忽那賢志

*2 朝日新聞デジタル2022年10月12日「発熱外来、高齢者や小学生以下などに限定 同時流行備え政府呼びかけ」

*3 「季節性インフルエンザとの同時流行を想定した新型コロナウイルス感染症に対応する外来医療体制等の整備について(依頼)」2022年10月17日(厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部ほか)

*4 「臨床検査の保険適用について(令和3年6月収載予定)」中央社会保険医療協議会 総会(第479回)資料総-1-2

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