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2類相当から5類へ? 新型コロナの分類見直し論は、大丈夫なのか? 


(2022年6月)

「周囲で会話が少ない場合は(マスク着用の)必要ない」

5月19日に開かれた「アドバイザリーボード」(新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織)で、屋外でのマスク着用について新たな提言がありました。

脇田隆字座長(国立感染症研究所長)は会合後の記者会見で、「委員から合意を得られた」と述べ、周囲と距離が取れる屋外ではマスクを外すことを推奨し、周囲との距離が近くても会話が少ない状況なら、マスクは不要という見解も示しました。一時的に推奨している2歳以上の未就学児の着用も、あわせて見直すよう求めました。*1 

今年2月がピークだったオミクロン株による「第6波」は、完全には収束していません。
ところが、4月下旬に開かれた全国知事会の会合では、GW後の感染再拡大防止に向けて基本的な感染対策の徹底をお願いするとともに、感染再拡大の抑制と社会経済活動の両立に向けた緊急提言*2    が出され、「感染症法上の位置づけ、公費負担のあり方、屋外でのマスク着用のあり方等についても、オミクロン株の特性、経口薬の開発や流通・効果、新たな変異株の発生など様々な要因を踏まえつつ、検討すること」と政府に求めました。

実際この会合では、三日月大造滋賀県知事が「重症化率、死亡率が低い割合で推移している。二類相当の強い措置は必ずしも現状に見合っていない」と発言( 2022年5月12日東京新聞「こちら特報部」より)するなど、根強い慎重論がある一方で、経済活動の本格的再開に向けて、政財界では勇み足が目立つようになってきました。

一方で、医療界では「時期尚早」という意見が大半です。
5類になれば、ワクチン接種もPCR検査も投薬もすべてが有料になります。そうなった場合、経済的な問題から受診しないという選択をする人も出てくるでしょう。
比較的軽症と言われるオミクロン株であっても、インフルエンザに比べて致死率が10倍とも言われていますし、今後出現可能性のある変異株を考えれば「現時点で5類に変更すること、これは現実的ではないとは考えています」と4月22日の参議院本会議で発言した岸田首相の方針は妥当と思われます。

とはいえ、新型コロナ感染症のパンデミックが発生してから、そして日本で最初の感染者が発見されてから、今月で2年6カ月が経ちました。
Withコロナはもちろんですが、アフターコロナを見据えて医療体制を整備する時期に来ているのではないでしょうか。

特効薬が開発されていない現状では、検査→発見→自宅待機(あるいは入院)しか有効な手段はありません。けれども、開業医がコロナの最前線に立つことになる日もそう遠くはないでしょう。

5類になったときにすぐに対応できるよう、患者さんの導線、隔離室の確保などを考えた診療所作りを準備しておくことが求められます。

(文責:ブランディング・エディター 内田朋恵)


*1 「会話少ない屋外「マスク不要」 未就学児推奨も見直し―専門家ら提言・厚労省助言組織」2022年05月19日22時04分 時事ドットコム

*2 「感染再拡大の抑制と社会経済活動の両立に向けた緊急提言」2022年4月26日

 

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