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重症化が少ないと言われるオミクロン株、開業医ができることは?


(2022年2月)

2022年1月22日、とうとう東京の感染者数が1万人を超え、全国の感染者数が5万人を超えました。

先月の「Check! 気になる医療ニュース」で、名古屋工業大学平田教授のAI予測*1 を紹介しましたが、その予測をはるかに上回る速さで感染が拡大しています。

先にオミクロン株の感染拡大を経験しているイギリスやアメリカから出てきたデータから、「オミクロン株はデルタ株ほど重症化しない」と言われ、経済界からは楽観論*2 も出ていますが、感染症専門医は「油断はしてはならない」と警鐘をならしています。

そんななか、1月21日に厚生労働省の中央社会保険医療協議会 総会(第512 回)が開催され、「新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築」について話し合われました*3    。

そこで、①「新型コロナウイルス感染症治療薬のレムデシビル(販売名:ベクルリー点滴静注液100mg、同点滴静注用100mg)について、医師の指示の下で看護師が在宅療養患者等に投与することを認める、さらに②オミクロン株の急拡大により「入院までに時間がかかり薬剤投与が遅れる」事態を避けるためで、添付文書や「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」などを参照し、適切に投与することが求められる、が了承されました。

1月14日にはファイザーが経口抗ウイルス薬候補「PF-07321332/リトナビル錠」の製造販売を承認申請し*4 、近いうちには、すでに承認されている米メルク社製の「モルヌピラビル」(販売名ラゲブリオ)と二つの経口薬が日本でも使用可能になるでしょう。
ファイザーの経口薬も、メルク社のものと同様、重症化リスクの高い患者が対象になるとみられますが、ラゲブリオ同様、かかりつけ医が簡単に処方できるものではないようです*5    。

建前は、発熱外来などでコロナ患者を診療した医師の判断により処方できるとなっていますが、第6波到来とともに、薬局に処方できる経口薬がない、という医師の声がSNS上で散見されます。

また①のレムデシビルの在宅療養患者への投与についても、オミクロン株の急速な流行により、入院できない中等症患者への対応策と考えられますが、そもそも保健所と連絡が取れない、という状況がまたまた繰り返されています。

オミクロン株は感染しても無症状が多く、また軽症の場合はどの痛み、咳といった普通の風邪と症状が似ているため、患者の多くはコロナだと気づかずに病院や診療所にかかるケースが多発しています。

これだけ患者が増えると、これまではコロナ患者を診ていなかった開業医も対応をせざるを得ない状況が訪れています。
PCR検査キット、抗原検査キットはもちろん、経口薬の処方箋を出せる薬局はどこか、レムデシビルの点滴に対応するのかなど、クリニックでどこまで処置をするかの対策が急がれます。

無料のPCR検査キットの数も足りず、薬も足りず、3回目のワクチン接種も進まないという状況にあっても、患者さんは増え続けています。
もう診察拒否という対応は不可能ですから、スタッフと相談の上、クリニックでできること、できないことを把握し、第6波に対応していくしかないでしょう。

(文責:ブランディング・エディター 内田朋恵)


*1 NHK首都圏ナビ「AI予測 オミクロン株の拡大で都内感染者が1日3000人超のおそれも」 

*2 ANNnewsCH「経済界から“まん延防止”に疑問「日本遅れているー経済同友会、桜田謙悟代表幹事記者会見より」(2022年1月18日)」

*3 第512回 中央社会保険医療協議会 総会(公聴会)資料

*4 ファイザー、COVID-19に対する新規経口抗ウイルス薬の日本における製造販売承認申請 報道資料

*5 「新型コロナウイルス感染症における経口抗ウイルス薬の医療機関及び薬局への配分について」

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