登録・会費 無料!
お問い合わせ・ご相談はこちら
  1. TOP
  2. Check! 気になる医療ニュース
  3. 医療ニュース202109

これからは開業医もコロナ感染症の診療をするようになるのか?


(2021年9月)

デルタ株の蔓延で、日本の1日のコロナ感染症者が2万人を超えました。
昨年末から年始にかけての第3波では東京をはじめとする首都圏で、4~5月の第4波では大阪など関西圏で、医療崩壊一歩手前まで感染が拡がりましたが、それでも1日の新規感染者数が1万人を超えることはありませんでした。
ところが、今回の第5波では1日平均5000~6000人台だったのが、たった1週間で1万人台になり、そして2週間後には2万人台なってしまいました。

首都圏では病院に入れずに自宅療養のまま亡くなるケースが増えています。

打開策として、8月25日、厚生労働省は自治体に向け、
「24時間以内の患者の病態の悪化の有無を確認できる体制が確保されていること(夜間・休日含め、患者からの電話に対応できる体制等)」、
「投与後の患者の病態の悪化(副作用が確認された場合や重症化した場合)に緊急対応を行える新型コロナウイルス感染症の入院治療を行う医療機関(臨時の医療施設を含む)の外来において投与を行うこと」
など5つの要件を満たせば、医療機関が自宅療養者に対し、外来でロナプリーブ™(中和抗体薬カシリビマブ及びイムデビマブ)の点滴投与をできるようになると通知*1   しました。

さらに、「臨時の医療施設に相当する体制を確保している宿泊療養施設・入院待機施設が特段の事情により、有床診療所や有床の臨時の医療施設に位置付けられない場合」、7つの要件を満たせばロナプリーブ™を往診・訪問診療で投与しての良いという方針も示しました。

これはコロナ感染症治療の外来診療化の第一歩となったと言えます。そして、コロナ患者の受け入れ医療機関が簡単に増えない現状では、診療所・クリニックが自宅療養中の患者さんへ往診して、薬を投与することも今後は増えてくるでしょう。

とはいえ、コロナ感染症に関しては診療所・クリニックの対応は二分されています。
積極的に発熱外来を設け、PCR検査を実施してきた医療機関であれば、自宅療養中の患者さんへの往診も検討するかもしれません。一方で、いまだに「発熱症状のある方は他の医療機関を受診してください」という貼り紙をしているクリニックもあります。

こうした状況を踏まえ、8月23日、国と東京都はコロナ感染症の治療に協力しない医療機関名を公表するという方針*2   を発表しました。

そこには診療所への要請「①新型コロナ感染症患者への在宅医療(在宅医療強化事業を含む)及び検査、診断、②都が要請した施設に対する人材派遣、③区市町村のワクチン接種等への協力」も書かれています。
さらに協力を得やすいよう、診療報酬の上乗せ*3    も閣議決定をまって了承される見込みです(8月28日現在)。まさに総力戦の様相を見せています。

デルタ株は子どもへの感染も増えており、新学期が始まって、小学校、幼稚園での感染拡大も心配されています。
今後は小児科クリニックへ、発熱した子どもたちが押し寄せる、という事態も考えられます。
コロナ感染症患者を診察することが少なかった小児科開業医の中には、いまだに抗原検査を実施している人もいるようですが、これからはキチンとPCR検査を実施し、子どもの感染を発見していくことが重要です。

9月からは小児科医がコロナ感染症の最前線に立たされるかもしれません。

(文責:ブランディング・エディター 内田朋恵)


*1    「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬「カシリビマブ及びイムデビマブ」の医療機関への配分について(質疑応答集の修正・追加)」

*2    「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第 16 条の2第1項に基づく協力の要請について」

*3    「新型コロナウイルス感染症を踏まえた診療に係る特例的な対応(案)」中央社会保険医療協議会 総会(第 487 回)

メリットいっぱい
会員登録(無料)
お気軽にどうぞ
開業相談(無料)
PAGETOP