登録・会費 無料!
お問い合わせ・ご相談はこちら
  1. TOP
  2. Check! 気になる医療ニュース
  3. 医療ニュース202011

冬のコロナ対策における、かかりつけ医の位置づけとは?


 (2020年11月)

今年の冬は、インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行が懸念されています。
10月からインフルエンザ予防接種が始まりましたが、コロナ禍でかかりつけ医の役割がますます期待されています。
そこで、今月は10月13日に開催された尾崎治夫東京都医師会会長の記者会見*1 から、クリニック、診療所の役割について考えてみたいと思います。

尾崎会長は冬に向けての感染症対策として、①かかりつけ医を中心とした今冬のコロナ対策    *2、②なるべく多くの人にインフルエンザ・ワクチン接種を、③高齢者を守るためのコロナ対策の3つを上げました。

南半球の現状を見ると、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザは同時に流行しないようではありますが、今後はどうなるかわからないとしています。
そのためにも、できるだけ多くのクリニック・診療所が、コロナの診療・検査医療機関になるよう申請し、指定されるよう、東京都医師会としてはお願いしているとしました。

記者からは、第1波のときに「発熱している方の受診はお断りしています」といった貼り紙が公然とクリニックに掲げられていた多くの事例を考えると、医師会が考えているようなコロナ対策をかかりつけ医がとらないのではないか、という質問が出ました。

これに対して尾崎会長は、受診拒否は医師法の応召義務に反するという厚生労働省の通達もあるし、日頃、「地域医療に邁進します」と言って保険診療をしているならば、そして医師会に加入されているならば、診察すべきである、という強いメッセージが出されました。

10月13日の記者会見で発表されたデータによると、6~9月の65歳以下の人の死亡率は0.09%、70歳以上の人の死亡率は5.75%(1~5月は25%近かった)と、6月以降、死亡率は確実に下がっています。
それは国立感染症センターの発表*3からも明らかです。

尾崎東京都医師会長は、「早期に見つけて隔離していること、治療法の確立がみられること」などを挙げていますが、国立国際医療研究センター(NCGM)国際感染症センターの大曲貴夫センター長も、「発症から診断までの時間が短縮していることが大きいと考えている。軽症のうちに見つかれば、重症化率は下がり、医療的な介入も早期に実施できる。その結果、重症化率や死亡率が下がる可能性はあるだろう」と指摘しています。

こうした報告からも明らかなように、かかりつけ医が「早期にみつける」ことは、コロナ感染症対策には欠かせないことです。

やみくもに受診拒否をするのではなく、正しい感染症対策を取り、場所的な問題で自分のクリニックだけでは対応できないならば、きちんとした地域の協力体制を確立すべき時に来ているのではないでしょうか。

(文責:ブランディング・エディター 内田朋恵)


*1 東京都医師会定例記者会見(2020.10.13)(YouTube)
*2 新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行時の医療体制    (東京都医師会 会見資料)
*3 「新型コロナ、第2波で年齢にかかわらず死亡率が低下したワケは?   
 NCGMが入院患者を対象としたレジストリ研究の中間解析結果を発表」(2020年10月2日 日経バイオテク)

メリットいっぱい
会員登録(無料)
お気軽にどうぞ
開業相談(無料)
PAGETOP