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どういう状況で濃厚接触者に認定される?


 (2020年9月)

GoToキャンペーンの実施により、いったんは落ち着いたかに見えた新型コロナウイルス感染が、あっという間に全国に拡大してしまいました。
感染者ゼロ県として頑張っていた岩手県ですら、7月29日に第1号感染者が出て以来、1カ月も経たないうちに10人を超えてしまいました。

私たちにとってコロナ感染症は、もう遠いものではなくなってきました。
実際、私も7月下旬に濃厚接触者に認定されました。突然、保健所から連絡が入ってからPCR検査で陰性の連絡が来るまでの3日間は、生きた心地がしませんでした。

私の場合、北海道からの来客がPCR検査で陽性になり、発症日に15分ほど会議室で面会したことが濃厚接触とされたのです。
会議室では窓を開け、お互いにマスクを一度も外さずの面会だったのに、です。 その方は、面会後、飛行機で北海道に帰られたのですが、機内で風邪症状が出たようですが、こうした状況は仕事していれば普通に起こることです。

そこで、濃厚接触者と認定される条件について調べてみました。
国立感染症研究所のホームページには「濃厚接触者の定義」※1 が掲載されています。
これを見ると、感染者と発症日2日前から、1メートル以内かつ15分以上の接触で濃厚接触者に定義されます。
陽性者は調査票を埋めるべく、保健所から細かく行動を聞かれるようで、調査の結果、上記の条件に当てはまる人が濃厚接触者に認定され、保健所から一人一人に連絡が入ります。
毎日1000人を超える感染者が出ていることを考えれば、1人の感染者に対して数人の濃厚接触者がいるわけで、いくら保健所の人員を増やしたといっても対応できるものではありません。

濃厚接触者を追っていくことは、クラスターを発生させないためには大切なことです。実際、ニューヨークでは「トレーサー」が徹底的に濃厚接触者を追跡してPCR検査を受けさせることで、感染拡大の抑え込みに成功したようです ※2 。とはいえ、それを保健所の職員がやることなのかについては、検討が必要でしょう。

東京都世田谷区が、いつでもだれでも無料でPCR検査をできる体制を整える「世田谷モデル」の構築をしていますが、秋冬のコロナ&インフルエンザの流行に備えて、早急に新しい検査&追跡体制を拡充するときに来ていると言えます。

地域のかかりつけ医であるクリニックや診療所は、まさにコロナ&インフルエンザ感染発見の入り口です。
日本感染症学会では、秋から冬にかけてのコロナ&インフルエンザ流行に備えて提言を発表しています※3 。
コロナ(COVID-19)については、SARS-CoV-2 抗原迅速診断キットの供給量は限られており、国内で認可されているエスプライン SARS-CoV-2(富⼠レビオ)もコロナ感染症を疑う場合にしか使用できません。

あと数カ月で、万全な準備ができるとは思えませんが、今年はインフルエンザの抗原迅速診断キットだけでなく、SARS-CoV-2 抗原迅速診断キットについても早めの準備を検討してはいかがでしょうか。

(ブランディングエディター:内田朋恵)


※1 積極的疫学調査実施要領における濃厚接触者の定義変更等に関するQ&A(2020年4月22日)(国立感染症研究所) 
   新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領(国立感染症研究所)
※2 日本は感染拡大 海外「封じ込め」成功例は (日テレNEWS24)
※3 ⼀般社団法⼈⽇本感染症学会提⾔  今冬のインフルエンザとCOVID-19 に備えて(⼀般社団法⼈⽇本感染症学会)

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