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地域の「かかりつけ医」機能強化推進の意向が見える2020年度改定


 (2020年3月)

2月7日、厚生労働省は診療報酬についての2020年度の改定内容を発表しました。今回の改定では、医師の働き方改革を推進するために救急医療に報酬を手厚くすることに注目が集まっています。一方、「個別改訂項目」※1をみると、「患者にとって必要な情報提供や相談支援の推進」を実現するための改定がされました。
「かかりつけ医機能の普及を図る観点から、地域においてかかりつけ医機能を担う医療機関において、当該機能の更なる周知等の在り方について、機能強化加算の掲示等の情報提供に係る要件を見直す」として、初診料の機能強化加算の要件が厳格化されたのです。

これまでも、初診時に「かかりつけ診療料」を加算するためには、かかりつけ医機能を有する医療機関であることを「見やすい場所に掲示していること」という要件が課せられていましたが、来年度からはかかりつけ医機能を有する医療機関であることを「記載した書面を、医療機関内の見やすい場所に置き、必要に応じて患者が持ち帰れるようにすること。また、患者の求めがあった場合には、当該書面を交付すること」という要件が追加されます。

さらに、かかりつけ医機能に、「必要に応じた専門医又は専門医療機関への紹介を行っている」医療機関としての機能を追加しました。これに伴い、診療情報提供料が診療報酬項目に追加されます。
この機能は、かかりつけ医が病状により専門性の高い他の医療機関へ患者さんを紹介した場合、患者さんの同意を得て診療情報提供をすれば、「診療情報提供料Ⅰ」が算定できるというものです。今回の改定の特徴は、紹介先の専門性の高い医療機関が、かかりつけ医の求めに応じて情報をフィードバックした場合にも「診療情報提供料Ⅲ」が3カ月に1回、算定できるようになったことです。これにより、より医療連携が進みやすくなることが期待できます。

また、2019年1月から凍結されていた「妊婦加算」が今回の改定で正式に廃止されます。代わりに産科医療機関が、妊婦への専門的治療の必要性から専門医療機関へ紹介する場合には「診療情報提供料Ⅰ」が算定され、その専門医療機関が情報をフィードバックした場合には、「診療情報提供料Ⅲ」を1カ月に1回算定することが可能になりました。

こうした報酬改定を見ていると、ますます地域の「かかりつけ医」の機能強化を推進したい国の意向が透けて見えます。しかし、「かかりつけ医」機能※2 には(1)日常的な医学管理と重症化予防、(2)地域の医療機関等との連携、(3)在宅療養支援、介護等の連携、(4)適切かつわかりやすい情報提供、という4つの実施とホームページでの情報提供が求められており、診療所が「かかりつけ医」として届け出するには大きなハードルがあります。

今回の改定では、これに加えて、かかりつけ医であることを記載した書面を用意することが必要になるわけです。しかし、これを患者さんにアピールする機会と考えれば、この書面もクリニックのPR、宣伝ツールに使えます。診療報酬改定を機に、大きく飛躍するチャンスはあるかもしれません。

(ブランディングエディター:内田朋恵)


※1.https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000593368.pdf
※2. 医療法施行規則別表第一の規定に基づく厚生労働大臣が定める事項(平成19年厚生労働省告示第53号〉診療所の例より

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