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在宅患者の容体急変時の意思確認方法は?・・自宅での最期


 (2019年11月)

在宅医療の普及に伴い、がん患者や難病患者などを中心に自宅で最期を迎えたいという人が増えてきた。今後ますます、こうした傾向は増加すると思われる。

そこで問題になるのが、在宅患者本人は「心肺蘇生を望んでいない」のにもかかわらず患者の容体急変に動転した家族が救急車を呼んでしまうケース。いざ救急隊が心肺蘇生を行おうとすると、「実は本人は心肺蘇生を望んでいない」と伝えられることが増えてきているという。

消防庁の実態調査によると、実際の救急現場で、家族などから傷病者本人は心肺蘇生を望んでいないと伝えられたことがあったのは、全国728の消防本部の約85%。それに対して対応方針を決めているのは332消防本部と全体の45.6%のみである。そのうちの201消防本部は「傷病者本人の心肺蘇生を拒否する意思表示を伝えられても、心肺蘇生を実施しながら医療機関に搬送する」対応をとっており、「医師からの指示等の下に、心肺蘇生を実施しない、又は中止する」対応をとるとしているのは100消防本部だけである。

このように現場で異なる「蘇生拒否」の対応に関して統一見解を模索するため、総務省消防庁は2018年5月より「傷病者の意思に沿った救急現場における心肺蘇生の実施に関する検討部会」を開催し検討を重ねてきたが、今年7月3日の検討部会で、「現段階で統一見解を出すのは時期尚早」という結論に至った。

報告書では、「家族等から傷病者本人が心肺蘇生を望まない旨の申し出があった場合には、かかりつけ医や主治医、高齢者施設の医師等と連絡し、心肺蘇生の中止の指示が出たら、心肺蘇生を中止する対応が取られている」という臨床救急医学会の提言等や蘇生中止の対応をしている広島市消防局や埼玉西部消防局の例なども紹介されている。

しかし部会では、かかりつけ医と連絡が取れない、本当に傷病者本人の意思であるかを確かめる基準がない、消防本部の調査も一部にとどまっており実態が明らかになっているとは言えない、などの指摘が出た。

一部の委員からは、「地域包括ケアシステムの中でこの救急の問題は考えるべきだ」という意見も出ており、今後、患者さんとのコミュニケーションを密にすることが求められ、ますます地域のかかりつけ医の役割が高まるだろう。

(ブランディングエディター:内田朋恵)

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