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それってパワハラですか?

医療現場において、パワハラと言われることなく、スタッフを指導していくにはどうすればいいでしょうか。クリニックでよくあるハラスメント事象について、事例を挙げながら検証していきます。

EPISODE 01

スタッフのミスを指摘するのもパワハラ?

ミスをしても叱責したらいけない?

「最近の若者は、ミスを指摘するとプイッとして、そのまま会社に来なくなる」 「大学の授業で間違いを指摘すると、次からその学生は授業に来ない。まさに消えてしまう」

これは私が実際に企業の人事担当者や大学教授から聞いた話です。
少し前ならあり得なかったことですが、残念ながら数年前からこうしたことが普通に起こっているようです。
「叱らない子育て」が注目されて以来、それを実践する人が増えたからかもしれません。さらには体罰が問題になったことで、学校でも「叱らない」教育が実践されるようになったからかもしれません。
そして実際、「叱られる」ことに耐性のない若者は増えていますし、世間では「叱らず、諭す」「叱らずに、教える」ことが求められています。
しかし患者さんの命を守り、緊急を要する医療現場では、そんな流ちょうなことを言ってはいられないのではないでしょうか。

叱ったらパワハラだと言われた、あるケースを紹介しましょう。
Aクリニックの院長は、患者さんの名前を確認せずに採血をしようとした若い看護師を、「姓名と生年月日はきちんと確認しなければダメじゃないか」と少しきつく叱責したところ、その看護師にパワハラだと言われてしまいました。

A院長によると、患者さんの名字は日本人に大変多い「高橋さん」で、この看護師は以前にも名前を確認せずに採血し、まったく違う検査結果が出て大騒ぎになったことがあったそうです。
「採血の間違いで、他人の検査結果をもとに、患者さんに間違った薬を投薬することがどれだけ危険なことか。この看護師はその危険性について理解していないと思ったから、さすがに2回目のミスの時には、呼び出して強く叱責したんです。それなのに、自分のミスは棚に上げて、『院長、これってパワハラですよ』と言われた時には、開いた口が塞がらないとは、このことですよ」

思い出しただけでも腹が立つA院長ですが、こうしたことは、最近は珍しくないようです。
「こういう看護師は辞めさせることも難しいので、メンターとして先輩看護師をつけて指導をすることにしました。ところが私のその方針に対して、今度は『私は学校出たての新人じゃないのに、メンターをつけられるなんて! バカにしています。それってモラハラです』と言い出したのです。ミスに対して叱責もできない、指導もできないって、もうどうしたらいいか、本当に困ってしまいました」

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コミュニケーション不足がハラスメントを生む

Aクリニックには、問題の看護師を含め3人の看護師がいます。彼女以外の看護師は二人ともベテランで、ワーキングマザーで、仕事が終わったらすぐに家に帰っていくため、クリニック内での懇親会などは催したことはありませんでした。

A院長自身も、もともと看護師とは積極的にコミュニケーションを取るほうではなかったので、そうした関係性はたいへん楽でした。ところが若い看護師を採用したことで、その状況が変わってしまったのです。

困った末に院長は社労士に相談しました。すると「よくあることですよ」と言って、似たような事例とその対処方法について話してくれました。
社労士さんによると、そうしたことを言い出す人は、「職場の中で疎外されている」「上司とのコミュニケーションが少ない」「ミスが許されない」と感じていることが多く、職場でいじめられているとも感じているようです。

こうした人たちが感じる「いじめ」の内容としては、言動による「精神的な攻撃」「過大な要求」が多いといいます。*1
つまり、「ミスをするな!」を「過大な要求」と取る若者がいるのです。

社労士さんから、「こういう人には、名前を確認せずに採血することがなぜ危険なのか、なぜ叱ったのかを時間をかけて説明するしかありませんよ」というアドバイスを受け、A院長はさっそくこの看護師を呼んで話をしました。
彼女の前の職場はもっと大きな病院でしたが、新人で入ったこともあり雑用ばかりやらされていたらしく、実は看護師として患者さんと相対した経験はあまりないと話してくれました。

そこで、彼女が雑用だと話したことを具体的に聞いてみると、それは患者さんに投与する点滴の準備や注射の準備などでした。

A院長は、「それは雑用ではなく、大切な仕事ですよ。カルテを見て薬を準備するわけですから、どんな症状の患者さんにどんな薬を、どれくらいの量を投与するのか、わかりますよね。勉強しようと思えば、こんなに勉強できることはありません」と伝えました。

この看護師は、初めて自分の見識が浅はかだったことに気づいたといいます。それ以来、ミスも減り、注意されても「パワハラ」ということもなくなったそうです。

年配の人たちの常識は、若者にとっては常識ではありません。「わかるだろう」は通用しないということを、肝に銘じておく必要があるようです。

(文責:ブランディングエディター 内田朋恵)


参考文献
*1 厚生労働省のあかるい職場応援団:データで見るハラスメント「受けたパワーハラスメントの内容」より

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