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カスタマーハラスメントの上手な対処法

暴力性がエスカレートしている顧客や患者によるカスタマーハラスメントは社会問題になっています。被害が拡大しないための上手な対処法を考えていきます。

EPISODE 01

どこからがカスタマーハラスメントか?

クレームとカスハラの線引きは、患者の要求に妥当性があるかどうか

その暴力性がエスカレートしている顧客や患者によるハラスメント、いわゆるカスタマーハラスメントは、大きな社会問題になっています。
執拗に文句を言いたてたり、暴言や侮蔑的な言動を繰り返したり、土下座をさせたり、威圧的な言動を続けたり・・・・・・。
これらはクレームではなくカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)といえます。

こうしたカスハラによって精神的なダメージを受け、従業員が精神疾患を発症してしまう事例が増えたことから、2023年9月からは、カスハラによる精神疾患を労災として認めやすくする*1 など、厚生労働省も対策に乗り出しはじめています。

厚労省はこれより前の2022年2月*2 には、「カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル」というパンプレット*3    を作成しました。
この中に、「カスタマーハラスメントの発生状況」を企業に対して調査(2020年10月)した結果が掲載されていますが、過去3年間で「顧客からの著しい迷惑行為」を受けたという経験がある企業は15%ほどでした。

調査条件が違うので、比べることはできませんが、日本労働組合総連合会が2022年11月に行った調査では、直近3年間で自身がなんらかのカスタマーハラスメントを受けたという人は、1000人中675人に上ることがわかりました。*4    
単純には比べられませんが、コロナ禍を経て、確実に発生件数が増え、深刻化したことは確かでしょう。

こうした状況から、東京都は「カスハラ防止条例」を制定したのですが、この動きは全国に広がっていく様相です。 とはいえ、難しいのがどこからがカスハラと言えるかです。

実際、患者さんからの苦言、クレームによって、見落としていたことに気づかされることもあります。
たとえば、予約でしか受け付けない発熱外来など、いまでもコロナ禍のルールを適用している医療機関はまだまだたくさんあると思いますが、果たしてそれは適切な対応なのでしょうか。

コロナ以外にも、インフルエンザ、マイコプラズマ肺炎、咽頭炎などが大流行している昨今、かたくなにコロナ禍のルールを適用しているため、いつまでたっても発熱外来を受診できないと、SNSで発信している人が多いように感じます。

先日は、いつまでも発熱外来の予約が取れずに、子どもが咳で呼吸困難状態になってしまい、救急搬送されたらマイコプラズマ肺炎で、即入院になったというSNSでの発信を見かけました。
こうした現状への患者さんの苦言やクレームは妥当なものだと思うのですが、こうしたクレームを無視したり、軽視したりすることで、かえってSNSや口コミサイトに書き込みされて、ひどい評価がつけられることもあるでしょう。

この患者評価に対して、今春、医師たちが訴えを起こしました*5 が、一度こういう書き込みをされると、それを取り下げさせるのは大変な労力がかかるのです。
そういうことにならないためにも、クリニックのなかで、クレームとカスハラを的確に見分けられるよう、日ごろからスタッフと情報を共有しておく必要があるでしょう。

カスハラの判断基準はどうやって決める?

厚労省の「カスハラマニュアル」では、「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」と定義され(*3   のマニュアルP7参照)、判断基準として、「各社であらかじめ…判断基準を明確にした上で、企業内の考え方、対応方針を統一して現場と共有しておくことが重要」(*3   のマニュアルP11参照)と記されています。

東京都の条例*6   では、「著しい迷惑行為:暴行、脅迫その他の違法な行為又は正当な理由がない過度な要求、暴言その他の不当な行為をいう」「カスタマー・ハラスメント:顧客等から就業者に対し、その業務に関して行われる著しい迷惑行為であって、就業環境を害するものをいう」と定義されています。

長時間にわたるクレームや暴言、暴行、土下座の要求など正当性のない過度な要求など、常識的でないもの、はカスハラと言えるでしょう。
言い換えれば、患者さんからのクレームはカスハラではないので、どのような状態になったらカスハラとするか、各クリニックで、「超えてはならない一線」を明確にしておく必要があります。

特に、正当なクレームを窓口スタッフに任せっきりにすることはNGです。スタッフは決められたルールを守ることが仕事になりがちで、正しい判断ができないことが多いからです。

先ほどの発熱外来の予約システムもそうでしょう。電話で問い合わせがあったとき、すべてマニュアル通りに対応することのないよう、緊急性が高い場合は、必ず院長の判断を仰ぐように指示を出しておく必要があります。

そして、クレームを受けたスタッフは、必ずその患者さんの声を院長に伝える、院内で共有するシステムや機会を持つことが重要です。
応召義務のある医療現場では、特に情報の共有、院長への「ホウレンソウ」は大切なのです。

(文責:ブランディングエディター 内田朋恵)


参考文献
*1 「心理的負荷による精神障害の労災認定基準を改正しました」厚生労働省HP

*2 「『カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等を作成しました」厚生労働省HP

*3  「カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル」

*4  「カスタマーハラスメントに関する調査2022」(2022年12月16日)連合

*5  「“クチコミで利益侵害された” 医師らグーグルを集団提訴」首都圏 NEWS WEB(2024年4月18日)

*6  第214号議案「東京都カスタマーハラスメント防止条例」

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