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開業後の知識診療予約導入のメリット・デメリット
the医院開業サイトの診療予約のメリット・デメリット解説ページ。予約制度導入のメリットはいくつかありますが、「新患の獲得」はその最たるものといえます。
予約制度導入のメリットとデメリット
- 予約制度の導入のメリットは
- 新患の獲得
- 事前の予約数がわかること
- 待ち時間を緩和する効果
- 来院患者数のムラをなくす効果
- しかし同時に運営側の負担も増加します。
この点を含め、予約制度のメリット・デメリットを解説します。 - 予約制度は特に来院患者数が多く、待ち時間も増えがちな小児科や耳鼻咽喉科などでよく採用されています。
このような診療科目は予約導入で待ち時間に対するクレームを減らす一定の効果があります。 - 忙しく若い年齢層には時間を有効活用できるので好まれる制度です。
また、ショッピングセンター内や都心のクリニックでは患者さんの支持を得やすくなります。 - しかし一方で、以下の問題点があります。
- 予約時間通りに診察できないとクレームにつながる
- 予約変更の際、手間がかかりスタッフへの負担が増加する
- 医師の望むような予約枠とならずストレスを抱える
- 患者側(特にご高齢の患者さん)も予約取得を手間に感じ、受診を敬遠する患者も一定数存在する。
- 予約制度導入のメリットはいくつかありますが、「新患の獲得」はその最たるものです。
- 朝一番と夕方に偏りがちが患者数を、均等化でき、混雑状況を調整し新患を受け入れる余力が生まれます。
例えば朝方希望の患者さんを11時台に変更してもらうことで、より多くの患者数を確保することができます。
新患にとっても、待たされず予約時間に診てもらえるので好印象につながります。
予約制度の種類
1.順番予約制度
- 来院した患者さんの順番で予約を受ける制度のことです。
ネットなどで当日の診療順番札を確保し、概ね順番になったところで来院して診察を受けます。 - この予約制度に適しているのは、
- 診察時間が早く、ほぼ一定である
- 来院患者の年齢層が比較的若い
- 来院患者数が多い
- ネットで予約チケットの発行と同時に来院目安時間が表示されます。
周辺で時間をつぶしてから来院する事が出来るメリットがあります。
しかしご高齢者の方はそこまで便利さを感じませんが、診察時間の目安が分かる点では効果的です。
2.時間制予約
- 一般的な「予約を取る」制度です。
来院前に日時の予約を取り診察を受けます。 - この予約に適しているのは、
- 診察時間(院内滞留時間)が長く、一定ではない
- 来院患者の年齢層が比較的高い
- 来院患者数が多い
- 順番予約の来院目安時間の案内とは異なり、「予約時間」を事前に伝えているため、時間通りに診察が始まらないとクレームにつながる事があります。
- 予約時間の設定が一番のポイントとなります。
何分枠で何人の予約が適当なのか、例えば1時間に12名、5分毎で患者さんを診察する場合、飛び込みの新患、急患が来院すると待ち時間が発生します。 - 月間100名の新規患者が来る想定では、20日の診療で一日5人の新患、1.5時間で1人の新患となります。
再初診の急患患者も含めれば、1時間に一人は初診と考えられます。
カルテ発行など新患の処理に時間がかかると、予約時間内に診療が終わらずに待ち時間が発生し、クレーム発生となります。 - 新患や急患対応への「余裕」枠を設定する必要がありますが、この「余裕」が曲者です。
待ち時間のクレームが連続すると受付では予約枠を埋めずに余裕のある診察枠で運用しようとしがちです。
常に予約表をチェックしていく必要があります。 - 「待ち時間が長い」というクレームは頻発するものです。
数分待たされてもクレームになるケースもあり、クレームのレベルをしっかり把握し、対策を練っていく必要があります。 - これには院長のマネジメント手腕が問われますので、医院全体の状態をよく把握し、クレームはなくなったが、患者数も減ったというようなことにならないようによくよく目を配る必要があります。
3.複合型
- 順番予約と時間予約の複合型です。
- この形態は、小児科などでよく見られます。
- 通常の小児科診療は順番予約で行い、予防接種や乳児健診は時間予約で行うというものです。
- 複合型は工夫すれば、内科や整形外科などでも採用でき、患者さんの特性に応じて、柔軟に運用できるというメリットがあります。
- デメリットは実際の運用が複雑になり、現場のオペレーションをしっかり決めておく必要があるということです。