クリニック開業後の成功の約8割がクリニック物件選びで決まる
クリニックを開業する際に最も重要な意思決定のひとつが「どの物件を選ぶか」です。
診療科や地域特性、ターゲット層、競合環境によって最適な物件条件は異なりますが、成功するクリニックの開業物件には共通する重要なポイントがあります。
商圏人口と需要の可能性
クリニック開業物件の検討において、まず確認すべきは商圏内に十分な患者需要が存在するかです。
必ずチェックすべき視点
- 近隣エリアの人口構成(年齢別:0〜9歳、10〜39歳、40〜64歳、65歳以上)
- 世帯数や子育て世帯の割合
- 昼間人口と夜間人口の差異
- 人口増減の将来予測
ポイント
診療科に適した患者層がどれだけ存在するかで、開業直後の初動患者数が大きく変わります。
成功しているクリニックは、例外なく事前の商圏(診療圏)分析に力を入れています。
交通アクセスと利便性
クリニックは「患者が通いやすい」ことが最優先事項です。
立地の利便性は、集患力に直結します。
成功物件の条件
- 駅徒歩5分以内が理想
- 地方都市の場合、駐車場台数が十分確保されている(特に整形外科・小児科・皮膚科など)
- 大通り沿い、バス停近く、視認性の高い場所
- バリアフリー対応(エレベーター設置、段差なし)
視認性と看板設置の自由度
多くの患者はクリニックを建物の看板で認知します。
そのため、看板の視認性は売上に直接影響します。
理想条件
- 道路からの視認性が高い
- 看板掲出スペースが複数確保できる(袖看板や壁面看板、入口上部)
- 夜間照明の設置が可能
- テナントオーナーの広告規制が厳しくない
競合クリニックとのバランス
競合が多いからと言って必ず不利というわけではありません。
問題は、「勝てるポジションを取れるか」です。
分析ポイント
- 競合の診療内容や診療時間、得意分野
- 患者の口コミ評価
※成功事例の共通点
競合が多い立地でも、診療時間や専門性、デジタル集患で勝つ戦略を持てば勝算は十分あります。
物件の広さ・レイアウト適性
院内動線が悪い物件は、患者満足度と回転効率が下がります。
成功条件
- 必要な坪数が確保できる(内科:35坪〜、整形外科:60坪〜など)
- 診療動線とスタッフ動線が分離できるレイアウト
- バックヤードやストックスペース確保
- 電気容量や給排水位置の確認(工事費に影響)
落とし穴
坪単価だけに注目し、全体バランスを見失わないように。
家賃と採算性のバランス
家賃が「安い=良い物件」ではありません。
クリニック開業物件は収支バランスとROI(投資収益性)が重要です。
指標例
- 家賃は想定売上の6〜10%以内
- 目標売上から逆算した採算表を作る
- 家賃は広告費の代わりと考える(特に美容領域や耳鼻科など)
注意点
初期投資は内装費と医療機器費を含めトータルで検討する
物件オーナーとの相性や契約条件
開業後のトラブルは、契約内容の確認不足から起きます。
確認すべきポイント
- スケルトン物件か居抜き物件か
- 看板掲出の範囲
- 騒音や給排水の制限の有無
- 解約条件、更新料、保証金償却