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これから開業するならどんな形がいい?
コロナ後、社会は変化し患者さんが医療に求めるものも変わりました。
院内のICT化が進むなか、どのような形の開業がいいでしょうか。
EPISODE 01
いつでも診てもらえるコンビニクリニックが登場
診療するのは夜だけの都心駅近クリニック
新型コロナ感染症のパンデミックは、私たちの生活習慣を変えるきっかけになりました。
特に、外食、会食の自粛要請によって、多くの飲食店が影響を受けましたが、自粛要請が解除されても、人びとの行動様式はなかなか戻っていないようです。
その一つが飲み会で、多くの人が一次会でお開きにするようになっています。
その結果、電車の終電も切り上げられて、皆が早く帰宅するようになりました。
そんななか、夜間診療のクリニックは受診者が増えています。こうしたクリニックは、「コンビニクリニック」と呼ばれ、都心を中心に開業する医師が出てきているようです。
たとえば、新宿や渋谷、池袋といったターミナル駅周辺で、夜間診療をしているクリニックを検索すると、10カ所を超えるクリニックがヒットします。なかには、診療時間は18時~23時と、夜間のみの診療というクリニックも複数見つかります。
こうしたクリニックは内科が中心のようですが、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、逆流性食道炎、甲状腺疾患、花粉症、口内炎、扁桃炎、副鼻腔炎、帯状疱疹、手足口病、貧血、更年期障害、禁煙外来、アフターピル、トラベルクリニックなどと、治療可能な症状は多岐にわたっており、受診する側からすれば、調子が悪いとき、仕事帰りに気軽に受診できるクリニックといえるでしょう。
ただ、こうしたクリニックは一見さんが多く、再診につながりにくいのも特徴のようです。
コンビニクリニックは「かかりつけ医」になれるか?
日本で「コンビニクリニック」を有名にしたのは、2008年に立川駅の駅ナカに開業したナビタスクリニックの久住英二医師ではないでしょうか。
TVにも出演しているので、ご覧になった方も多いでしょう。*1
このクリニックの場合は、駅ナカに立地することで、20~30代の女性を中心に、仕事帰りの時間に受診患者が増えているようです。
患者側から見れば、ちょっと調子が悪い時に、気軽に受診できるクリニックとして認知されているのでしょう。
こうした「コンビニクリニック」は、アメリカでも登場してきました。
2015年、The New England Journal of Medicineに「リテールクリニック(Retail Clinic)」と言われるコンビニクリニック(Convenient Care Clinic: CCC)が急激に増加しているらしい、という記事が掲載されました(N Engl J Med. 2015 Jul 23;373(4):382-8.)。*2
アメリカでは、ナースプラクティショナー(NP)やフィジシャンアシスタント(PA)が診るので、医師が診る日本とは違う開業形態と言えますが、ちょっと調子が悪い時に、医療従事者に診療してほしい、と考えるのは、国を問わず同じなのでしょう。
ちなみに、久住医師のクリニックでは、ピルの処方や貧血、性感染症といったものまで診察することで、一見さんが中心といわれる「コンビニクリニック」で、女性患者のリピート率を上げているようです。
しかし、都心以外で「コンビニクリニック」が成り立つのかについては、まだまだ難しいというのが現実ではないでしょうか。
(文責:ブランディングエディター 内田朋恵)
参考文献
*1 上昌広「絶望の医療 希望の医療」:女性殺到の駅ナカ「コンビニクリニック」に勤務して驚愕した受診理由…日本医療の問題露呈(上昌広/特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長)Copyright © Business Journal All Rights Reserved.
*2 Vol.039「日米コンビニクリニック:ナビタスクリニックは働くサラリーマンにとっての福音となるか」 医療ガバナンス学会メールマガジン (2016年2月12日 06:00) 帝京大学ちば総合医療センター血液リウマチ内科 津田健司
