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the医院開業|医院開業における勤務時間設定の基礎知識

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開業前の知識医院開業における勤務時間設定の基礎知識

the医院開業サイトの医院開業における勤務時間設定の基礎知識。クリニックを開業し、スタッフをマネジメントしていく上で、勤務時間をどのように設定するかは労務管理上において重要なポイントです。

勤務時間の管理は労務管理の要

  • クリニックを開業し、スタッフをマネジメントしていく上で、勤務時間をどのように設定するかは集患上はもちろん、労務管理上においても重要なポイントです。
  • 勤務時間が長過ぎればそのうちスタッフも疲れてしまいます。
    また採用面で応募者も応募自体に二の足を踏んでしまうでしょう。
  • さらにスタッフの勤務時間を決めるには、労働基準法等の規制が関わってくるということも頭に入れておいて下さい。
  • 労働基準法といっても、これから開業される先生におかれましては、全く中身を知らないという方も多いと思います。
  • しかし、法律を知らないまま勤務時間を設定してしまったために、開業後に労務トラブルに遭遇したというケースも散見されます。
  • そこで法律をきちんと守り、クリニックの特性にも合わせながら、上手に勤務時間を設定するにはどうすればよいのかを以下に解説していきます。

勤務時間は、「1週40時間・1日8時間」以内で定めましょう!

  • 勤務時間の設定において最も重要なことは法律で定められた労働時間の上限(法定労働時間といいます)です。
  • 法定労働時間とは、各クリニックが任意で定める勤務時間の長さを規制するもので、その内容は以下のとおりです。

勤務時間と法定労働時間の関係

  • 「勤務時間(クリニックが決める)」 ≦ 「法定労働時間=1週40時間以内かつ1日8時間以内」
  • 勤務時間は通常、そのクリニックの診療体制(診療時間・休診日)に合わせて設定します。
  • 具体的にいくつかのケースを見てみましょう。

ケース1

  • 月、火、水、金 午前9時~午後6時 (休憩60分)日曜、木曜休診のケース 1日の労働時間8時間
  • 土 午前9時~午後1時(休憩無し) 1日の労働時間4時間
  • このケースでは、1日8時間の日が週4日(8時間×4日=32時間)と1日4時間の日が週1日(4時間×1日=4時間)となり、1週合計36時間ですから、法定労働時間を4時間余してクリアしていることになります。
    今回のケースであれば、土曜日の午後を診療することになっても、あと4時間でしたら勤務時間を延ばせます。

ケース2

  • 月、火、水、金 午前9時~午後7時 (休憩60分)日曜、木曜休診のケース 1日の労働時間9時間
  • 土 午前9時~午後1時(休憩無し) 1日の労働時間4時間
  • ケース1から平日午後の勤務時間を19時までと1時間延長しました。
  • この結果、週の勤務時間がケース1より4時間増えることになり、合計で1週40時間です。
  • 1週40時間までであれば法定労働時間をクリアしているのでOK!と考えてしまいそうです。
  • しかし、この場合、平日の勤務時間が法定労働時間のもう一つの基準である「1日8時間以内」をオーバーしてしまっています。
    19時まで診療するのに1日8時間勤務を達成するには、休憩時間を1時間延長する方法がありますが、休憩時間もそのままに法定労働時間をクリアできる方法はないのでしょうか?
「1ヶ月単位の変形労働時間制」の活用
  • ケース2のように1日8時間では勤務時間が足りないといった場合に有効な方法が「1ヶ月単位の変形労働時間制」です。
  • この制度は労働基準法で定められたもので、導入に関する主なポイントは次のとおりです。
1ヶ月単位の変形労働時間制導入の主なポイント
  1. 労使協定または就業規則等により具体的事項を定める。
  2. 変形期間(通常は1ヶ月)の中での勤務時間が1週平均40時間以内になるように定めていれば、特定の週、特定の日において法定労働時間を超えることが認められる。
  3. 変形期間中の各日の勤務時間は、あらかじめ具体的に特定しておき、スタッフに文書等で知らせる。 この他にも要件がありますので、導入の際は専門家等にご相談ください。
  • 1ヶ月単位の変形労働時間制を使えば、今回のように平日の1日の勤務時間が9時間と、法定労働時間(8時間)をオーバーしてしまっても、1週全体の勤務時間でみると土曜日の勤務時間が短いために40時間となっているので、法定労働時間をクリアします。
  • この方法を使うと勤務時間を柔軟に設定することができてメリットも多いことから、実際に多くのクリニックで導入されています。
    これから開業される先生も是非ご検討下さい。
  • 最後にもう一つのケースを見てみましょう。

ケース3

  • 月、火、水、金 午前9時~午後8時 (休憩60分)日曜、木曜休診のケース 1日の労働時間10時間
    土 午前9時~午後1時(休憩無し) 1日の労働時間4時間
  • ケース2から平日午後の勤務時間を更に1時間延長し、夜8時までの勤務としました。
    この結果、週の勤務時間は44時間となっています。
  • 毎週この勤務体制では、前述の1ヶ月単位の変形労働時間制を使っても法定労働時間をクリアできないので、個人別のシフト勤務制により、例えば隔週で第1週は上記のとおり週休2日(木・日)で44時間のままとし、第2週を週休3日(火・木・日)で34時間にすれば、1週平均40時間を達成できます。
  • あるいは早番・遅番制を導入して平日の診療時間全体をカバーする方法もあるでしょう。
  • しかし、実際にはこのようなシフト勤務制は、人員体制の面から難しいことも多いようです。
    そこで次の特例を検討することになります。

スタッフ数が常時10人未満のクリニックであれば、1週44時間の特例が使えます!

ケース3のように1週の勤務時間を40時間以内に収められない場合でも、労働基準法では、「医療業でスタッフ数が常時10人未満の事業所」であれば、1週の法定労働時間数を44時間まで延長することが特例として認められています。

この特例は1ヶ月単位の変形労働時間制とも併用できますので、特に開業当初のクリニックはスタッフ数がまだそれほど多くないでしょうから、どうしても勤務時間を長くしておきたい場合、この特例はとても有効です。

この特例を使う場合には以下の点はについて留意しておきたいところです。

1週44時間特例の留意点

  1. 対象クリニックはスタッフ数が常時10人未満のクリニック限定。
  2. 10人には非常勤のパート・アルバイト・非常勤医も含む。
    (院長先生や臨時的・短期的なスタッフは除く)
  3. スタッフ数が常時10人以上になった時点で、勤務時間を40時間に短縮しなければならないが、44時間体制が定着していると、この短縮が難しくなる。
  4. 採用面で、勤務時間が長いと求職者に敬遠されがちなため、優秀な人材の確保が難しくなる。
  • スタッフ数の要件には、上記のように非常勤スタッフも含みますので、経営が順調ですと意外とすぐに10人に達することがあります。
  • このため、特例を使うかどうかは、先々のことを考えて、専門家の判断も仰ぎながら慎重に判断されることをお勧めします。
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