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開業するなら専門医?それとも家庭医?

日本でプライマリケアを担うのはかかりつけ医です。世界では「家庭医」がそれを担います。日本で「家庭医」が定着しないのはなぜなのか。開業するなら専門医の方がいいのでしょうか。

EPISODE 01

日本で考えられている「かかりつけ医」 とは

なぜ「かかりつけ医」制度が必要なのか?

コロナ禍をきっかけに、「かかりつけ医」が注目されるようになりました。
「かかりつけ医制度」については、2018年4月の診療報酬改定から本格的に導入され、これによりかかりつけ医に認定された医療機関は、初診時に「機能強化加算」が請求できることになったのです。

この制度を作った背景には、厚生労働省が進める「地域包括ケアシステム」の構築があります。
2025年度をめどに「地域包括ケアシステム」の導入を図りたい厚生労働省は、ホームページ*1 などで「かかりつけ医」について周知を始めていました。にもかかわらず、医療へのフリーアクセスが認められている日本では、「かかりつけ医」はなかなか認知されなかったのです。

ところが、新型コロナ感染症をきっかけに、一気に世の中の多くの人が知るところとなりました。*2

これまでは厚生労働省を中心に議論が進められてきた「かかりつけ医制度」ですが、2022年5月25日、財務省財政制度等審議会の「歴史の転換点における財政運営」*3 において、「効率的で質の高い医療提供体制の整備(外来医療)」のためには、「かかりつけ医及びかかりつけ医機能の法制上の明確化」が必要だとされました。これにより厚労省の中の医療・介護分野にとどまらない議論が本格化したように思います。

では、「かかりつけ医」とはなんでしょうか。 2013年に日本医師会・四病院団体協議会が出した「かかりつけ医」の定義では、「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。」とされ、「かかりつけ医機能」として以下の内容が発表されました。

かかりつけ医機能(日本医師会・四病院団体協議会の合同提言より)*4 

  • ・かかりつけ医は、日常行う診療においては、患者の生活背景を把握し、適切な診療及び保健指導を行い、自己の専門性を超えて診療や指導を行えない場合には、地域の医師、医療機関等と協力して解決策を提供する。
  • ・かかりつけ医は、自己の診療時間外も患者にとって最善の医療が継続されるよう、地域の医師、医療機関等と必要な情報を共有し、お互いに協力して休日や夜間も患者に対応できる体制を構築する。
  • ・かかりつけ医は、日常行う診療のほかに、地域住民との信頼関係を構築し、健康相談、健診・がん検診、母子保健、学校保健、産業保健、地域保健等の地域における医療を取り巻く社会的活動、行政活動に積極的に参加するとともに保健・介護・福祉関係者との連携を行う。
    また、地域の高齢者が少しでも長く地域で生活できるよう在宅医療を推進する。
  • ・患者や家族に対して、医療に関する適切かつわかりやすい情報の提供を行う。

こういう医者がいたら、すぐに「かかりつけ医」になってほしいと思います。
ところが実際は、上記のような条件をすべて満たすような「かかりつけ医」を見つけることは難しいといえます。
もちろん一人でこの条件を満たすことは困難でも、チームなら不可能ではないでしょうが、実際、開業医同士のネットワークで、これほどまでの協力体制が組めるのか、早急に対応していかなければならない問題といえるでしょう。

家庭医ではない、日本の「かかりつけ医」

患者の立場から考えれば、「かかりつけ医」は一人いればいいでしょう。 ところが、先ほど紹介した厚生労働省のホームページでは、「かかりつけ医は一人に決める必要はありません」と書かれており、専門科ごとにかかりつけ医を持つことを推奨しているようです。
東京都医師会のホームページ*5 でも、かかりつけ医とは、体調がすぐれないときに「まず相談する自宅近くの診療所や病院の医師のこと」で、「病院の医師か、診療所の医師か、どの診療科かを問うものではありません」と紹介しています。

つまり、専門科ごとに「かかりつけ医」を持ってもいいということになって、かえって患者の負担が増えるのではないか、そんな危惧すら覚えます。

世界では、いわゆる「家庭医」がゲートキーパーになって、各専門科の医師、大病院へ紹介していきます。
現在日本でも、かかりつけ医の紹介状なしに大病院にかかると、7000円以上の初診料を取られるようになっており、かかりつけ医にはゲートキーパーとしての役割が求められています。

けれども、その「かかりつけ医」に知識がなければ、適切な病院を紹介できるとは限りません。
「かかりつけ医」から紹介された病院で検査をしたけれども原因がわからず、数カ所のクリニックや病院をはしごして、たまたま代診で大学病院から来ていた先生に診てもらえたことで、病気が特定できたという人を、私は知っています。

「かかりつけ医」が総合的に患者の身体を診ることができないなら、こうしたことは普通に起こりえるでしょう。
これからの日本で求められる「かかりつけ医機能」とはどんなものか。本当に診療科ごとに「かかりつけ医」を持つスタイルでいいのか。立ち止まって考えてみる必要があるのではないでしょうか。

(文責:ブランディングエディター 内田朋恵)


参考文献
*1 「かかりつけ医」ってなに?」上手な医療のかかり方.jp

*2 かかりつけ医が注目されるきっかけ、理由などについては、讀賣新聞オンライン2022年8月25日配信「注目の「かかりつけ医」...今、なぜ? どうなる?」に詳しい。

*3  「歴史の転換点における財政運営」(令和4年5月25日 財政制度等審議会)36~39ページ参照

*4   「医療提供体制のあり方 日本医師会・四病院団体協議会合同提言」(2013年8月8日日本医師会・四病院団体協議会)4ページより

*5   「かかりつけ医を持っていますか?」(東京都医師会)

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