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the医院開業の開業指南塾|クリニック開業において「都心」か「郊外」か、「駅前」か「住宅地」か

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「都心」か「郊外」か、「駅前」か「住宅地」か
開業地の選択は?〜

今回のテーマは、一度開業準備の入口に立ち返り「開業地」を取り上げてお話致します。特に、「都心」と「郊外」、更に「駅前」と「住宅地」という対照的な立地で、それ以外は大きな条件の差がない二つのクリニックが開業後どのような推移を辿ったかをご紹介致します。

page1 開業地の選択の違いで収支バランスは?
page2 「都心駅前」と「郊外戸建て」経営数値の比較!決定的な違いはここにある!

開業地の選択の違いで収支バランスは?

Iクリニック概要

Iクリニックは東京都心の私鉄駅から徒歩2分ほどの位置にあるテナントビルの2階フロアで開業した循環器内科のクリニックです。I院長は出身である埼玉県の大学病院から都内はじめいくつかの勤務を経験していましたが、最終的には地元周辺地域での開院ではなく、長年の希望でもあった東京都心に落下傘開業をすることを決めました。

開業前の診療圏調査では、開業予定地の半径500メートル内に競合する同一診療科が5院あることがわかっていました。いずれのクリニックも駅からやや離れる形で開業しており、院長も若い世代からベテランまで各世代にわたっています。 競合のある中で勝ち残るためには、一般に診療内容や運営方法などで何かしらの差別化を図る必要がありますが、これだけライバルが多い中での開業に際し、I院長は“駅に近いこと”をクリニックの差別ポイントとして考えていました。保険診療である以上、目に見える差別化はなかなか簡単ではなく、誰もが分かり易いアドバンテージを考えたときに確実なのはまずこのロケーションだという判断でした。

◆開業後の推移

開業場所のテナントビルは最寄り駅からの人通りも多い道路に面しており、しかも近隣の競合するクリニックと比較しても駅からの距離が最も近いため、駅利用の患者さんから認知も早々に進み、また口コミの形成も早く期待できるだろうと考えていました。
しかし開業後、患者数がある程度増加するまでには思いの外時間がかかりました。

■経営数値 (金額単位:千円)

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◆開業3年後の可処分所得

患者数が伸び悩む一方で家賃や人件費などの固定費の設定が高かったため、収支のバランスはなかなかうまく取れず、開業初年度の可処分所得(経営数値表-P)は大きくマイナスとなりました。2年目にはライバルを抱えながらも患者数は徐々に増え、収入もある程度上がってきましたが、据置していた借入金元本の返済が始まったことによりさらに支出が増加したため、可処分所得は568万円のプラスにとどまっています。
3年目になって、患者数も順調に伸びて収入もそれなりに増加してきましたが、依然として固定費の重さが負担となり、可処分所得は1,500万円には届いていません。


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Jクリニックは神奈川県郊外、最寄りのJR駅からは車で15分の位置にある戸建ての循環器内科です。周囲はあまり人口密度が高くなく、また診療圏は車使用が前提でかなり広く設定される地域です。また当地はJ院長が勤務されていた大学病院から通院圏内のロケーションであることが特徴と言えます。
J院長は開業するにあたり、勤務経験もある東京都内での開業も比較検討しましたが、都心部での開業はやはり何といっても競合が多いことがネックでした。さらに現時点ではそれほど競合がない場所だとしても、駅前など人気エリアは何年かの間には後からライバルが開業する可能性があるため、常にそのような心配にさらされる経営はあまり性に合わないと考えていました。 またJ院長は当初よりいずれ土地を取得して自前の建物を建てることを目標としていたため、高額な家賃を払い続けることには抵抗感があり、総合的に条件を勘案して地方での開業を決めました。

◆開業後の推移

連携先を求めていた元勤務病院の紹介もあり、開業初年より予定を上回る患者数を確保することができ上々のスタートとなりました。さらに2年目以降は口コミにより近隣住民への認知が進み、また患者さんの来院エリアも広がってさらに順調に収入は増加しました。

■経営数値 (金額単位:千円)

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◆開業3年後の可処分所得

開業初年から事業計画を超える収入(経営数値-A)を上げることができ、また2年目以降もしっかり右肩上がりで患者数と収入を増やしていきました。そして人件費や家賃が低めで固定費が抑えられていること、また開業時の内装工事や医療器機などへの設備投資も、ニーズにより絞り込んで行っていたことから、借入金返済やリース料負担も多額にならずに済み、結果として初年度より可処分所得(経営数値-p)はプラスを確保、2年目にはすでにシリーズ目標の1,500万円を大きく上回る結果を上げています。
そして現在は既に借入金返済の目処もつき、当初目標であった自己所有のクリニック建築に向けて順調に体制を整えつつあります。

後編では、2つのクリニックを比較しながらクリニック誤算要因・成功要因、その結果 について解説します。

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