登録・会費 無料!
お問い合わせ・ご相談はこちら
  1. TOP
  2. 読んでよかった!開業指南塾
  3. どうする?「かかりつけ医機能報告制度」
  4. かかりつけ医機能報告制度のメリットとデメリットは?

the医院開業|開業指南塾|どうする? 「かかりつけ医機能報告制度」

読んでよかった! 開業指南塾
開業に関する欠かせない情報が満載

どうする? 「かかりつけ医機能報告制度」

2025年4月から「かかりつけ医機能報告制度」が施行されました。
今後の診療所の経営にも深くかかわるこの制度について、検討してみましょう。

EPISODE 01

かかりつけ医機能報告制度のメリットとデメリットは?

自ら提供している「かかりつけ医機能」の内容が公的に公表されます

社会保障負担はどこまで許容できるか――これは急速に高齢化が進んだ日本社会における最重要課題です。
人手不足による営業時間の短縮、地方の過疎化など、少子高齢化社会の到来を日々実感するようになった昨今、専門家が年十年も前から議論し警鐘を鳴らしていた持続的な社会保障制度を作るためにどうするかという課題が、国民にもやっと身近な話になってきました。病院へのフリーアクセスが制限されるとか、湿布薬を無制限に処方してもらえなくなったとか、高額療養費制度の負担増が問題になるとか、そんな日が来るとは、多くの国民が思ってもいなかったでしょう。

「かかりつけ医」についても、長年、厚労省や日本医師会が推進してきたにもかかわらず、なかなか広まらなかったのですが、コロナ禍で一気に日の目を浴び、初めて私事になった国民が大多数だったのではないでしょうか。

「かかりつけ医機能制度」が導入された背景には、こうした日本が抱える根本的な課題と、高齢化による医療ニーズの大きな変化があります。

複数の慢性疾患を同時に抱える高齢者の急増、専門医制度が進んだことで患者を丸ごと診る医師が減少し、患者さんは複数の病院や診療科をはしごするという状況が生まれていること、さらには大病院での治療が終わったにもかかわらず、地域の医療機関の情報が少ないため、地域の病院、診療所への転院が進まないことなどが、あらたな課題として浮かび上がっています。

こうした課題を解決するために、「かかりつけ医機能報告制度」*1 が始まりました。
この制度は、無床診療所などの医療機関が、自らが提供している「かかりつけ医機能」の内容を都道府県知事(行政)に報告し、その報告した情報が都道府県のホームページに公表される仕組みです。

この仕組みができることで、患者さんは地域で安心して「かかりつけ医」を選べるようになりますし、行政は地域に必要な医療機能の過不足を把握できるようになります。

実際、厚生労働省が作成した「かかりつけ医機能報告制度Q&A集」(第1版)の「Q9. 本制度により、国民や患者にはどのようなメリットがあるのか」には、「地域の医療機関が有するかかりつけ医機能が見える化されることにより、国民・患者が自らのニーズに応じた医療機関をさらに選択」しやすくなり、「地域のニーズに沿って必要な医療提供体制を強化」し、「医療サービスの向上」につながると、明記されています。*2

最近の、厚労省の「新たな地域医療構想等に関する検討会」では「治す医療」から「治し、支える医療」を実現することが議論*3    されています。これには「かかりつけ医機能が発揮される」ことが必須で、それが社会保障制度ならびに日本の医療体制を崩壊させないための手段とされています。

小さな診療所には事務負担に懸念が

「かかりつけ医機能報告制度」は、特定機能病院や歯科診療所を除く、ほぼすべての医療機関に該当する制度です。またこの制度には1号機能と2号機能があり、1号機能だけでも診療所の経営・開設は可能です。*4

1号機能とは、日常的・継続的な診療と医学管理に関する機能のことで、多くの無床診療所が日常的に担っている機能だといえます。ですから、原則、この機能はすべての診療所が持ち得る機能です。

2号機能とは、夜間・休日ならびに24時間の診療体制に加え、入退院時の支援、在宅医療の提供、介護サービス等と連携した医療提供が求められますので、一般の診療所にとってはかなりハードルが高い機能といえます。

とはいえ、1号機能であっても、「かかりつけ医にかかる研修を修了した医師や総合診療専門医を配置しているか、いないか」「17診療領域のどれに対応しているか」「高血圧症など日常的な40程度の疾患へ対応できるか、患者の相談に応じられるか」などを、年1回、都道府県に報告しなければなりませんし、その報告手段も、原則として医療機関等情報支援システム(G-MIS)を利用しなければならないので、事務負担は計り知れません。

厚労省では「かかりつけ医機能報告マニュアル」*5    を作成し、G-MISの操作手順*6    も含めて紹介していますが、小さな診療所で、受付業務含めての事務担当者が一人しかいない場合、そのスタッフの負担はかなり大きなものになると容易に考えられます。 また、医師はかかりつけ医機能報告制度にかかる研修を受ける必要があります。日本医師会のHPではこの研修*7 についての告知が出ていますが、これも小さな診療所では負担になるかもしれません。

とはいえ、「かかりつけ医機能報告制度」の報告が始まれば、各都道府県のHPに診療所情報が掲載されるようになるわけで、患者がどの医療機関を選んだらいいか迷うときには、大きな味方にもなるといえます。
一方、医療機関にとっては、他の診療所と比べられるわけで、特色のある医療をいかに患者さんに提供し、伝えていくか、これからはますます特色づくりとPR力が必要になってくるのではないでしょうか。

(文責:ブランディングエディター 内田朋恵)


参考文献
*1 「かかりつけ医機能報告制度」厚生労働省HP

*2 「かかりつけ医機能報告制度Q&A集」(第1版) 厚生労働省医政局総務課(令和7年6月)

*3 「新たな地域医療構想について」(第10回新たな地域医療構想等に関する検討会/令和6年1017日)資料1のP57参照

*4 「かかりつけ医機能の確保に関するガイドライン」(第1版)厚生労働省医政局総務課(令和7年6月)

*5 「かかりつけ医機能報告マニュアル」(医療機関用)厚生労働省医政局総務課(令和7年11月)

*6 「かかりつけ医機能報告マニュアル(G-MIS操作編)」Ver1.00(令和7年11月)

*7 「かかりつけ医機能報告制度にかかる研修」2025年11月17日 日本医師会HP

メリットいっぱい
会員登録(無料)
お気軽にどうぞ
開業相談(無料)
PAGETOP