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the医院開業|開業指南塾|労務管理の見直しによる経営改善(内科クリニックの場合)

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開業後の診療所経営について具体的ケースを検証し
経営改善につながる対策を『処方箋』として解説します。

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労務管理の見直しによる経営改善 2

第7回目では、医業収益を上げるためのキーワード。「優秀な人材」を確保するためには?という面について紹介します。 他院でうまくいっている就業規則に準じ労働条件等を設定、そのかいあってか納得のいくスタッフを採用できたと思っていたところ・・実は落とし穴がありました。

エピソード1 どこにでもある就業規則。でも落とし穴が。。-内科クリニック紹介
エピソード2 優秀な人材確保とその定着のためには?-問題点に対する処方箋

どこにでもある就業規則。でも落とし穴が。。-内科クリニック紹介

解釈の違い!? 思わぬところからトラブルが発生。


内科クリニックのケース

Gクリニックの概要

項目 内容
標榜科目 内科・アレルギー科
専門 内科
院長 男性 40歳
開設日 平成19年8月
所在地 東京23区内
クリニックの概要 医療モール3階(診察室、処置室、エックス線室)
専用駐車場 共同駐車場有
交通アクセス 私鉄最寄り駅より徒歩1分
スタッフ 看護師2名、受付事務員2名(パート職員含む)
経営形態 個人
薬剤処方 院外処方

Gクリニックの環境等

Gクリニックが開業した医療モールは東京23区内の駅前にあり開業当初から1日25人ほどの患者が訪れておりましたが、その後伸び悩み開業3年目を迎えた今期も1日30人を超える日はそう多くはなく、地域住民に認知された医療機関とは言いがたい状況にあります。

開業当初順調に推移した主な要因は、立地条件の良さ、医療モールの集患効果、患者さんの視点に立ったレイアウトまた、駅前であることを考慮した診療日時などが上げられますが、最大の要因は院長が心がけている親切丁寧な医療が職員にも浸透していたことがあげられます。

先輩医師から職員の重要性を説かれていた院長は、優秀な人材を確保するため周辺の医療機関より好条件で募集をおこない、納得のいく職員を採用することが出来ました。 好条件で採用することは人件費率を押し上げ医療経営を圧迫する要因にもなりますが、職員は院長の期待を上回る働きをみせ院長は自身の選択に間違いが無かったことを実感していました。しかし、開業後1年が経つ頃から職員に関する苦情が出始め順調だった来院患者数が伸び悩む状況が出始めました

Gクリニックの収支状況

月間数値 直近の実績 当初事業計画
一日あたり患者数 25 人 40 人
診療単価 4,400 円 4,600 円
医業収入 460 万円 660 万円
薬品費等 55 万円 75 万円
人件費 138 万円 140 万円
家賃・リース料 60 万円 60 万円
その他経費 58 万円 50 万円
差引利益 54 万円 335 万円
借入返済 33 万円 33 万円
差引収支 21 万円 302 万円

医業収益を上げるために優秀な人材の確保は必須です。そのために職員をどのような労働条件で雇ったらいいのか、開院時間や休日はどのように設定したらいいのか、新規開業時の医師にとってすべてが初めての経験であり大変悩ましい問題かと思われます。借入金の返済も考慮し、総額人件費は極力抑えておきたい。しかし、ある程度の好条件を提示しないと人材が集まらない。Gクリニックではこの相反する問題にまさに直面しておりました。そのため、G医師は就業規則をきちんと作成し、特に常勤看護師の採用に際して体制の整ったクリニックをアピールするとともに、長期安定雇用を実現しようと考えたのです。 そこで、知り合いのクリニックの就業規則を参考に下記のような条文を設けることにしました。

就業規則
○○条【昇給】
職員の基本給は毎年4月に昇給するものとする。
第○○条【賞与】
職員には毎年7月と12月に基本給1ヶ月分の賞与を支給する。
第○○条【退職金】
勤続1年以上の職員には退職時の基本給に下表の係数を掛けた退職金を支給する。

一見どこのクリニックにでもありそうな就業規則の条文です。実はここに落とし穴がありました。 しかし、作成当時のG医師にそんなことを知る由もありませんでした。他院で上手くいっている就業規則なのだからと楽観的に考えていたのです。 数年後のGクリニックは思いがけない事態に巻き込まれることになったのです。

総括

なぜ、他院でうまくいっている就業規則がGクリニックでは馴染まなかったのでしょうか。どうやら院長と職員の間に解釈に相違があったようです。詳細は後半でご紹介します。

(文責:税理士法人アフェックス 旧 税理士法人町山合同会計)

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