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診療所にBCP対策は必要ですか?

2024年4月1日に介護施設で義務化になるBCP策定(事業継続計画)。
診療所ではまだ進んでいませんが、開業医がどこまで対策するべきでしょうか。

EPISODE 01

BCP対策ってなんですか?

コンピュータの普及から始まったBCP

2024年4月から、介護施設に対してBCP (Business Continuity Plan)=事業継続計画対策とBCM(Business Continuity Management)=事業継続マネジメントが義務化されます。
これは、令和3年度の介護報酬改定*1    で3年間の経過措置を設けて定められた政策です。
その経過措置が切れる2024年4月を目前にした今年の元日、能登半島地震が起きました。
報道されている通り、水も電気も止まって、ライフラインがズタズタになった能登半島の介護施設では、介護する側も被災者となり十分なケアができないなかで、懸命に施設利用者に対応していました。しかしそれも限界となって、多くの高齢者がほかの地域の高齢者施設に移っていきました。

たぶん多くの介護施設では、すでにBCPもBCMも構築していたことでしょう。ところが想定以上の事態が発生したのです。今回のことでBCP、BCMの重要性が再認識されたと思われます。

では、そもそもBCPはいつから始まったのでしょうか。 2006年3月に発表された日本政策投資銀行の資料*2    に簡単にまとめられているので紹介します。

日本で最初にBCPが注目されたのは、2001年9月の米国同時多発テロ事件です。ニューヨークの世界貿易センタービルの近くにあった証券会社メルリリンチは、本社が被害に遭ったにもかかわらず、BCPに沿って準備をしてあったバックアップオフィスへ迅速に本社機能を移転し、業務の中断を最小限に抑えることができたのです。

米国ではコンピュータがオフィスに導入され始めた1960年代から、コンピュータを守るためのディザスター・リカバリー・プラン(Disaster Recovery Plan=DRP)、つまり災害復旧プランが導入されました。これは、主にシステムダウンからの復旧に関する対策です。 その後、DRPだけでは企業の事業継続がカバーできないため、BCP対策が必要だと認識されるようになりました。

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遅れる日本のBCP対策

日本でBCP対策の必要性が叫ばれるようになったのは、東日本大震災がきっかけだと言われています。その後、大企業を中心にBCP対策が進められましたが、内閣府の「令和元年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」*3    によると、BCP策定状況は大企業では約7割ですが、中堅企業では3割強しかなく、まだ十分とは言えません。

特に病院のBCP対策は、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震を経て、平成23年より「災害医療の在り方に関する検討会」が開かれ、「災害拠点病院」「DMAT」「中長期の医療提供体制」の3項目について検討が行われました。その中でBCPの作成についても言及され、平成24年3月21日医政局長通知*4    で、災害時における医療体制の充実強化について、「病院災害対策マニュアルの作成、業務継続計画の作成に努める」ことが求められたのです。

さらに、翌平成25年9月4日の医政局通知「BCPの考え方に基づいた病院災害対応計画作成の手引き」*5    では、チェックリストを使った病院災害計画の点検の手引きが示され、災害時に「病院機能を維持した上での被災患者を含めた患者すべての診療」を求められました。

平成29年度からは、災害拠点病院のBCP策定・BCMが義務化され、それに伴い令和元年度の予算に事業継続計画(BCP)策定研修事業が計上され、地域の拠点病院から研修が始まりました。*6

こうした準備があったため、能登半島地震では拠点病院でなんとか診療が続けられました。加えて、対応可能な地域の開業医も、不十分な状態ながら診療を続けたようです。それでも医療体制は十分ではなく、通常1週間程度の派遣で済むDMATが1カ月を過ぎても活動するという事態になっています。

日本では、いつどこで災害に見舞われるかわかりません。地域の拠点病院が減らされるなか、地域医療の担い手である開業医がどれだけ災害に対応できるかが、問われています。
次回では診療所レベルでできるBCP対策について、考えていきます。

(文責:ブランディングエディター 内田朋恵)


参考文献
*1 令和3年度介護報酬改定の主な事項について

*2 「事業継続計画(BCP)を巡る動向と今後の展開~事業継続マネジメントによる企業価値向上~」2006年3月、日本政策投資銀行政策企画部、ロサンゼルス駐在員事務所

*3 「令和元年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」令和2年3月 内閣府防災担当

*4 「災害時における医療体制の充実強化について」平成24年3月21日、医政発0321第2号

*5  「病院におけるBCPの考え方に基づいた災害対策マニュアルについて」

*5  「病院の業務継続計画(BCP)の策定状況について」令和元年5月23日 第14回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会 資料6

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