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開業トレンド

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医療政策と開業トレンド(総論)

後編

医療政策の根拠〜
治療のみならず予防医療へと広げ医療政策の質と効率の向上へ。
病気のステージと医療費の関係。QOLの向上と医療費の削減。

1. 医療費の根拠

財政を中心に組み立てられている今日の医療政策は治療のみならず予防医療にも範囲が拡げられています。効果的な治療を行うことも効率的な医療を提供することとなりますが、病気にさせないことは医療費がかからないだけでなく国民にとってQOL(Quality of Life)を向上することとなります。このように質と効率を向上させるための施策が進行中です。

2. 病気のステージと医療費



( 図1 医療ステージと医療費 )

病気は、図1のように超急性期、急性期、回復期or亜急性期、慢性期とステージが存在します。そして、慢性期は、病院だけでなく在宅医療でも療養することが可能です。これにそれぞれのステージにかかる医療費を入れてみると、救命救急病床やICUといった超急性期医療は1日10万円以上がかかります。病院の急性期病棟は、1日3〜15万円であり、リハビリテーションが提供される回復期では1日2〜4万円、亜急性期の病床では1日2〜3.5万円、療養病床などの慢性期病床では1日1.5〜2万円の医療費が必要となります。

一方で、在宅医療では1月に4〜40万円と1日に換算すると1500円〜1.5万円程度になるため療養病床よりも大幅に医療費がかからないのです。そこで、病気のステージに合わせて適切な医療機関や医療を患者さんが受けることにより医療費の効率的な利用につながるとされています。

そこで、厚生労働省としては医療連携により医療費のかからない医療機関へ適切に紹介する体制を構築し、より医療費のかからない医療機関へと患者さんが流れる仕組みづくりをしています。最近では、在宅診療特化の診療所が急激に増えてきたのもこのような背景があり、現時点では在宅医療が優遇され経営に有利だからなのです。

3. 疾病の管理



( 図2 生活習慣病の傷病管理概念 )

日本の国民医療費の3分の1が生活習慣病関連に費やされているので、生活習慣病を予防するために特定健診と特定保健指導を導入すると2008年から生活習慣病予防に特化した制度が始まりました。

この制度は、疾病管理(Disease Management)と言われ病気にさせない、より病気を重篤化させないという病気のステージに合わせた管理を行っていく手法とされています。病気は、重症化するほど医療費がかかるため早いうちに介入し重症化を予防することが、国民にとっても医療財源にとってもよいことになります。例えば、糖尿病にならなければ医療費はかかりませんが、糖尿病になると外来診療を受ける必要があり医療費が発生するようになります。その後、糖尿病の合併症で糖尿病性腎症になり透析となると多額な医療費がかかることとなります。このように悪化していく病気をどこで予防するのか、少しでも悪化していくスピードを 遅くすることが可能であれば、QOLの向上と医療費を削減することが可能となります。



4. 総括

これから医院で求められる機能の1つに病気のステージに応じた医療機関の紹介や患者さんの全体の管理を行う役割を担う、かかりつけ医として役割があります。健康体から入院して在宅医療まで見守ることができることも特化した機能になるでしょう。

(文責:木村憲洋)

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